デジタルマーケティングで使うデータ活用プラットフォームの中でも、ここ数年で注目を集めているのがDMPやCDPだ。これらは何をどうするためのシステムなのか、どのような情報が得られるのか。そもそもデータにはどんな種類があるのか。初心者にとって鬼門といえるデータ活用基盤の勘所を解説する。

データの入手方法や特性により「1st Party」「2nd Party」「3rd Party」と3つの種類に分類できる
データの入手方法や特性により「1st Party」「2nd Party」「3rd Party」と3つの種類に分類できる
DMPとCDPの違いは? 立体的に顧客を捉えるデータ活用基盤(画像)
先輩社員「ヒロセ」
ネット広告やデジタルマーケティングに精通する先輩社員。新人ユカの教育係になった。見た目はクールだが、ネット広告の話になると熱くなって止まらなくなる。
DMPとCDPの違いは? 立体的に顧客を捉えるデータ活用基盤(画像)
新人社員「ユカ」
ネット広告会社に新卒で入ったばかりの新人女性社員。元気とやる気は人一倍あるが、難しい用語は苦手。ヒロセのボケに対して絶妙なツッコミをする。

DMPとCDPの違いは? 立体的に顧客を捉えるデータ活用基盤(画像)

いよいよ満を持して、今回はDMPとCDPの説明に入るぞ~。さて問題です。それぞれ何の略だったでしょうか。


DMPとCDPの違いは? 立体的に顧客を捉えるデータ活用基盤(画像)

えっとDMPはデータ・マネジメント・プラットフォームで、CDPはコンテンツ……あれ、違うかな?


DMPとCDPの違いは? 立体的に顧客を捉えるデータ活用基盤(画像)

惜しいっ。カスタマー・データ・プラットフォームでした。この2つのプラットフォームを理解し活用するには、前提としてデータの種類や用途をしっかり整理できていることが大切だ。そこから説明していこう。


 前回に引き続き、マーケティング・プロセスの中の「セグメンテーション」「ターゲティング」に関連する話となります。忘れた方は前回記事のマーケティング・プロセスの全体像を振り返ってから読んでいただければと思います。

 デジタルマーケティングにおけるデータの用途は「生活者・顧客の理解(インプット)」「コミュニケーション(アウトプット)」の2つです。後者は広告施策や販促・営業活動などの具体的な打ち手の部分です。こちらは次回の記事(最終回)で解説します。

 今回は前者の「生活者・顧客の理解(インプット)」を中心に説明します。マーケティングリサーチデータ(アンケートなどによるアスキングデータ)のみならず、アクチュアルデータ(Web行動履歴などの全量データ)やリスニングデータ(SNSの投稿・発言などを収集したデータ)を取り扱うようになってきたことは、前回の記事で説明しました。

 これらのデータはどこから手に入るのか、活用するにはどんなプラットフォームが必要なのか、詳しく説明していきましょう。まずはデータを3つに分類してみます。

 この分類を理解したうえで、データ活用基盤であるDMPについての説明に入ります。これは大きく2つに分けられます。この違いは重要です。

パブリックDMP(オープンDMP):
 3rd Partyデータ活用を中心とするプラットフォーム。第三者から提供される、匿名加工されたユーザーの属性情報や、興味関心・嗜好性などを蓄積する。データセラー(データ販売サービス)としての役割を持ち、蓄積したデータを提供したり、アドエクスチェンジなどと連携し、広告配信に利用されたりすることが多い。

プライベートDMP(≒CDP):
 1st Partyデータ活用を中心とするプラットフォーム。自社の会員データや、サイト内のユーザーの行動履歴、購買情報など、企業独自のマーケティングデータを分析し、既存顧客への購買を促したり、LTV(ライフ・タイム・バリュー、顧客生涯価値)を向上させるためのコミュニケーション施策の検討に利用されたりすることが多い。

 最近、データ活用がマーケティング業界のキーワードとなっていますが、その対象は「1st Partyデータ」であることが多いです。そして、これを活用する基盤はプライベートDMP(≒CDP)となります。

DMP市場はなぜ拡大したのか?

 DMPというプラットフォームは2012年ごろから登場しました。マーケティング業界でも話題になりましたが、当初の市場規模自体はそれほど大きくなく、調査会社アイ・ティ・アール(ITR、東京・新宿)の15年の調査でも14年度実績は10億円程度でした。

 グローバルを見ても同様で、13年当時、米国でトップのDMP企業だったブルーカイ(14年にオラクルが買収)の売上高は6400万ドル程度でした。

 しかし、近年の市場規模を見てみると急成長していることが分かります。ITRの調査では、18年度で84億円。この調査結果について、プライベートとパブリックで数字を分けて見ると面白いです。

調査会社アイ・ティ・アールが19年2月に発表したDMP市場のパブリック、プライベート別の市場規模推移。18年度以降は予測値。出展:ITR「ITR Market View:メール/Webマーケティング市場2019」
調査会社アイ・ティ・アールが19年2月に発表したDMP市場のパブリック、プライベート別の市場規模推移。18年度以降は予測値。出展:ITR「ITR Market View:メール/Webマーケティング市場2019」

 19年度以降のそれぞれの伸長額に注目してください。パブリックが年6億円程度伸びているのに対し、プライベートは年14億円ほど伸びています。18年~22年予測の伸長率を見ても、パブリックは183%、プライベートは204%になります。つまりデータ活用において、特に1st Partyデータの活用が重要視されているということが分かります。

 1st Partyデータの活用において、DMPよりも後の17年ごろに登場した用語がCDPです。CDPとプライベートDMPに明確な機能差はありません。ただ、CDPは自社の顧客データを活用するという部分で、プライベートDMPよりも目的が明確化(限定というべきか)されたプラットフォームです。

 この目的の明確化が、データマネジメントの指針となり、17年以降のマーケティング業界のキーワードとして「CDP」が取り上げられるようになったのではないかと考えています。

プライベートDMPとCDPの機能・カバー領域
プライベートDMPとCDPの機能・カバー領域
機能自体に明確な差はないが、CDPの方がセンシティブなデータを扱うことが多く、目的も顧客管理に特化しているという違いがある(図の画像提供/Digital Marketing Lab)

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