
風雲!広報の日常と非日常
現役広報パーソンが社外に向けて情報を発信する喜びと苦悩の日々を赤裸々に綴る。手強いマスコミとのやり取りや、心折れそうになる社内各部署との折衝。ひとたび対応を間違えば、厳しい世間の批判にさらされる……。マーケティングの重要なパートを担いながら、普段は注目されることもなく、黒子に徹し続ける広報。しかし、彼らは知っている。「広報を活用すれば、もっと効果的なマーケティングができるのに……」。現場で培った知見を交えながら、時代に合った“戦略的広報”の在り方について考えていく。
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第82回2021.03.04初の記者会見で“新米経営者”を待ち受ける2つのサプライズ経営者にとって初めての新製品や新サービスの発表会はいわば晴れ舞台。しかし、素晴らしい製品、そして完璧なプレゼンだったにもかかわらず、記者たちの冷めた反応に「どこか悪い点があったかな?」と首をかしげるかもしれません。そんな“新米経営者”の方に向けた、広報からのアドバイスです。
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第81回2021.02.25クラブハウスで広報が感じた、口から出てしまった言葉の重み音声SNSで話題の「Clubhouse(クラブハウス)」。そのroomで話された内容は基本的に口外しないのがルールです。広報的には「オフレコ」に当たります。とはいえ、一度口から出てしまった言葉は、文字のように後から直したりできません。記事化される危険性もはらんでいます。にもかかわらずオフレコを宣言した途端、余計なことまで話してしまう人も……。
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第80回2021.02.18広報がダメ出ししたくなる、経営者が取材で気を付けたいNG発言マスコミから取材を受ける我が社の社長。うっかり口を滑らせたとしても、周りの人間は即座に「それは違いますよ」とは言えないものです。東京五輪・パラリンピック大会組織委員会の会長辞任を表明した森喜朗氏の“女性蔑視発言”でのドタバタぶりを見ればよく分かります。しかし、広報なら勇気を振り絞ってでも「ダメ出し」をしなくてはなりません。
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第79回2021.02.04メディアは本当に意地悪? 都合の悪い記事に抱く勘違いの理由新聞やネットニュースに自分の会社にとって都合の悪い記事が載った日は、広報担当者としては気が重いもの。上司から「何だこの記事は!」と怒られでもしたら、書いた記者を少し恨んでしまうかもしれません。メディアの記者たちは本当に意地が悪いですね、って本当にそうでしょうか。
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第78回2021.01.28これが外資系広報の実態! 広報担当を待ち受ける3つの地獄外資系企業の広報といえば華々しく、“キラキラ”輝いている仕事のように思えるでしょう。確かにそうした一面もあるかもしれませんが、筆者の鈴木正義氏は「そうとは限らない」とくぎを刺します。実は外資系ならではの「3つの地獄」が存在するとか。なんとも大変というか、気の毒というか……。
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第77回2021.01.21露骨でも絶妙! 韓流のプロダクトプレイスメントが面白い映画やドラマの中で、よく知っている企業の製品を見かけることがあります。「プロダクトプレイスメント」という定番のマーケティング手法ですが、製品を貸し出す企業にとってはどれくらい効果があるか迷うもの。しかし、あからさまながら巧みに取り入れる韓国ドラマを見ていると、広報として「アリ」という思いが湧き上がってきます。
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第76回2021.01.14マスコミから引っ張りだこの経営者は、何をしゃべっているのか?広報としては自社のトップをメディアに露出させたいもの。経営者の中には、頻繁にメディアに登場される方がいます。なぜ彼らはメディアから引っ張りだこなのでしょうか。その違いについて考えてみました。
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第75回2020.12.24韓流エンタメに“沼落ち”した広報が、BTSから学んだファン心理今や世界を代表するポップスターとなった韓国の男性ヒップホップグループBTS(防弾少年団)。そのインパクトは『ハーバード・ビジネス・レビュー』すら動かしました。彼らがトップへと駆け上がったプロセスと戦略は、広報にとっても参考になる部分がたくさんあります。
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第74回2020.12.17「書かないで!」と言っても手遅れ 記事が止められない状況とは記者の前で、言ってはいけないことを思わず「ポロリ」ともらしてしまったことはありませんか。記者だって何でも書くわけではありませんし、広報との間に不文律や「大人の関係」が存在します。それでも記事化が止められない場合も起こり得ます。さて、広報としてどう対応すべきでしょうか。
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第73回2020.12.10ソニー「白衣の技術者」が教えてくれた、自分ブランドの大切さ広報にとっては社員自体もまた情報発信の重要コンテンツです。とはいえ、ただ取材対応してもらえればOKというわけではありません。一歩踏み込んで、その社員自身の「ブランディング」に加担してみてはどうでしょう。ソニー時代の同僚の振る舞いが、パーソナルブランディングの大切さを教えてくれました。
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第72回2020.12.03マーケティングのトップもあぜん 職人気質な広報との間にある溝マーケティングのトップであるCMO(Chief Marketing Officer)と広報の間には、理解し難い溝やギャップがあります。記事という「仕上がりの読めない成果物」に対し、広告のような予測が求められることも。データ分析が進むマーケ部門からすると、広報は気難しい職人のように見えます。
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第71回2020.11.26悩ましい取材対応の人選 いっそ広報が受けてはだめですか?メディアから依頼される取材内容は多岐にわたります。誰に受けてもらうかは、広報にとって悩みどころの1つです。社内で出したい人と、広報が出てもらいたい人が違う……なんてことも少なくありません。「広報は黒子に徹する」とはよく聞きますが、時には表に出ることも考えてみてはどうでしょう。
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第70回2020.11.19米大統領選挙から広報が学べること 対立構造に、SNS発信盛り上がった米大統領選挙。民主党のバイデン氏の勝利で幕を閉じた……と、すんなりコトは運ばないようです。騒動の中心は言うまでもなく共和党のトランプ氏。破天荒な発言やバイデン氏との対立構造は世界中の関心を集めました。このビッグイベントを広報視点でながめると、学べることは多そうです。
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第69回2020.11.12記事にするメディアは限られる? 新規媒体を開拓する効果的手段広報の仕事の1つに自社の情報を記事にしてくれる媒体の開拓があります。しかし既に開拓され尽くされていたり、発表会に招待しても記事にしてもらえなかったりと苦労が尽きません。筆者の遠藤眞代さんは、ソニー時代の“失敗”をきっかけに、新規媒体の開拓についてある思いを抱くようになりました。
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第68回2020.11.05SNSでバズった! そのとき、広報が取るべき行動とは新交通「ゆりかもめ」の公式アカウントからの投稿で、NECの“ある製品”がバズりました。広報としてはうれしい半面、不安もあります。いったい、投稿してくれた先方といかに絡めばいいのか。下手をすればネット上で炎上しかねません。筆者の鈴木正義氏が取った行動とは……。
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第67回2020.10.29プレゼンの本質は「贈り物」で「人を動かす」ことプレゼンテーションでは企業のメッセージを分かりやすく正確に伝えることが重要。しかし日本では下手なプレゼンでも、聞き手が頑張って相手の意図をくみ取ろうとします。これではすべての人に正しい情報が伝わるとは限りません。大切なのはプレゼンのメッセージが「贈り物」であるということです。
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第66回2020.10.22テレビを動かした1本の記事 ThinkPad X1 Fold発表騒動記・後編画面が折り畳めるパソコンとして注目のレノボ「ThinkPad X1 Fold」。会社肝煎りの製品だけに、広報としては影響力のあるテレビや全国紙に取り上げてもらいたいのが本音でしょう。しかし筆者の鈴木正義氏は、小さな媒体の1本の記事が大きなメディアを動かすことを知っていました。
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第65回2020.10.15新製品を再定義したがる広報 ThinkPad X1 Fold発表騒動記・前編米アップルの故スティーブ・ジョブズ氏はiPhoneで「携帯電話を再定義」して、世の中に変革をもたらしました。筆者の鈴木正義氏によると広報も自社の新製品を再定義したがるそうです。今回、「ThinkPad X1 Fold」でそのチャンスが鈴木氏にめぐってきました。
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第64回2020.10.08聞かれたくないことも掘り起こす メディア向けQ&Aのつくり方メディア向けに用意されたQ&Aと言えば、謝罪会見などで発表者が手元に置き、言い訳がたくさん書かれている秘密の資料というイメージを持っている人も多いでしょう。今回はメディア向けのQ&Aについて解説します。
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第63回2020.09.28今こそ大切な「現場写真」とスティーブ・ジョブズの“罪”いい記事にはその内容を効果的に伝えるため、リアリティーのある「現場写真」が欠かせません。広報はいい記事を書いてもらうために、日々、社長の表情やポーズにまで神経を行き渡らせているのです。コロナ禍で発表会の開催もままならない今、広報は現場写真の重要性を痛感しています。
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第62回2020.09.10コロナ禍の今、広報のニューノーマルについて考えるコロナ禍の現在、広報の仕事をリモートで行う機会が増えてきました。取材や発表会をオンラインで、というのがもはや当たり前になりつつあります。ある意味不自由な環境ですが、だからこそ新しい広報業務の姿も見えてきます。
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第61回2020.09.03コロナ禍で見直される社内広報 「チャット雑談」で大盛り上がり「社内広報」はメディアと関係の深い企業広報や製品広報に比べて地味な印象を受ける人も多いでしょう。しかしコロナ禍の現在、その見方が変わるかもしれません。在宅勤務で社員間のつながりが希薄になりがちな現状を何とかすべく打った手が、意外にも社員から大好評でした。
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第60回2020.08.20タレントを呼んだ発表会 華やかな舞台の裏で何が起きているか取材する側にとって製品発表会の主役は必ずしも「新製品」とは限りません。幅広いメディアに伝えてもらうために呼んだ「タレント」がお目当てのメディアもあります。発表会自体は盛り上がりますし、テレビでの露出の可能性も高まりますが、裏で仕切る広報にとっては歓迎することばかりではありません。
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第59回2020.08.06社員が新型コロナに感染 広報はどう動く?新型コロナウイルスの感染拡大が止まりません。会社への出勤に不安を覚える人も多いでしょう。従業員それぞれが対策をとっても、感染者が出てしまう恐れがあります。もし感染者が発生した場合、広報はどうすればいいのでしょうか。
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第58回2020.07.30理想の広報パーソンは「バナナの皮」でずっこける自社の情報をニュースで大きく取り上げてもらいたい。しかしメディアの期待をあおりすぎて失敗することもあります。この期待値をうまくコントロールできれば、理想の広報パーソンに近づけます。それには事前にどういう取材ができそうか相手にそれとなく伝えるという“お約束”が必要です。
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第57回2020.07.22鼻の穴を広げて得意げに……スケジューリングの恥ずかしい話広報にとって発表会などのスケジューリングは重要な業務。発表会の日から逆算して予定を組むか、はたまたこれからやるべきことを順番に積み上げて計画するか。いずれにしても、もたもたしてはいられません。計画の策定にはスピードも重要です。ただ、そこに目を奪われると危険が待ち受けています。
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第56回2020.07.16「厚さ1.5ミリ」のPCでネットは大騒ぎ 訂正リリースの悲哀企業広報にとって「訂正リリース」は出したくないもの。影響は間違った情報を基に書かれた記事やその読者に至るまで、広範囲に及びます。それでも誤った情報は正さなくてはなりません。紙切れ1枚のリリースですが、今回はその“重み”を知っていただきます。
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第55回2020.07.09広報とメディアの間にある「筋」を通すと「貸し借り」についてメディアに対して「筋」を通すことや、「貸し借り」といった考え方が広報にはあります。これがメディアとの信頼関係を築くには大切なのです。
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第54回2020.07.02「ドアを開けると日本人が殺到してくるぞ」 海外発表会での常識日本企業と外資系企業では、広報の仕事も変わってきます。そこで使用される「広報用語」についてもまたしかりです。今回はそんな外資系企業広報における“あるある”を示しながら、日本の広報とのギャップについてご紹介します。
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第53回2020.06.24withコロナ時代の撮影術 製品や人物を魅力的に撮るための注意点どのような場合も、広報担当者は取材対応者や自社の製品・サービスを魅力的に伝えるための配慮を怠りません。いい写真や映像を撮ってもらえるよう、取材場所の事前チェックも当然。最近はオンライン取材が増えているので、これまでとは違った配慮が必要なようです。
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第52回2020.06.18仕事が奪われる? ベテラン広報がAIと対決、勝負の行方は世の中には「AI(人工知能)が人間の仕事を奪う」といった論調が絶えません。かつて産業革命やインターネット革命が引き起こしたように、一部で衰退する仕事が出るのは否めません。では、広報の仕事はどうでしょうか。本記事の著者・鈴木正義さんは、“AIとの対決”を通してある結論に達しました。
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第51回2020.06.11ずぶの素人が「Zoomウェビナー」初挑戦 ほろ苦い顛末新型コロナウイルスとの共生を余儀なくされている「withコロナ時代」、オンライン発表会やウェビナーが当たり前となりつつあります。執筆者の遠藤眞代さんも、一念発起してウェビナーを開催することにしました。入念に準備を重ね、いざ本番。さてその顛末(てんまつ)は……。
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第50回2020.06.04アベノマスクは小さいの? 身に着ける「物」が放つメッセージ安倍晋三首相が着けていた通称「アベノマスク」を、“小さい”と思った人は多いかもしれません。そこから見えてくるのは、安倍首相というスポークスパーソンの発信力の強さに加え、身に着けている「物」ですら強力なメッセージを放つという事実です。トップの服装について広報視点で考えてみました。
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第49回2020.05.28“あるある”だけど笑えない 「待ち合わせ」の失敗談取材や記者発表会のスケジュール調整は重要ですが、何より大切なのは本番当日、“その場”に記者や取材対象者などがそろっていることです。最後の確認を怠り、時間や場所の指定を間違えてしまっては広報にとって一大事。“あるある”だと言って笑っていられませんが、失敗談をいくつか紹介しましょう。
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第48回2020.05.21スクープを知らせる役員の電話で目覚めた朝はマスコミのスクープは広報にとって肝を冷やす元です。そんな重大な記事が出るとはつゆ知らず、会社の“偉い人”からの連絡で知らされたときなどは、息が詰まりそうになります。とはいえ、おろおろしている場合ではありません。記事の内容を精査し、素早く手を打つ必要があります。
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第47回2020.05.14マスコミへの売り込み 情報整理には「SWOT分析」が効果的マスコミに情報を売り込みたくても、どこから手を付けたらいいのか分からない方も多いでしょう。いきなりマスコミに押しかけても、話を聞いてもらうのは案外難しいもの。せっかく記者と会えても、セールスポイントをうまく伝えられない。今回はそんな方に役立つマーケティングの基礎知識を紹介します。
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第46回2020.05.07初開催のオンライン発表会 参加者が絶賛した工夫を公開初めて開催したオンライン発表会に思いがけず多くの反響があり、参加者の方々に絶賛されました。手探り状態でしたが、有能なスタッフに支えられ、見せ方を工夫したのが奏功したようです。いったい何をやったのか。今回はその裏側について説明しましょう。
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第45回2020.04.23仕切り直しでもう1回 てこ入れを安易に広報に頼む方たちへ広報発表から実際の製品発売まで間が空くことがあります。早めに情報を出して消費者に意識してもらうほか、雑誌のボーナス特集などの編集タイミングに合わせるという意図があります。ただ、時には調子の上がらない製品のてこ入れのため広報に声が掛かることも。その仕事、想像以上に広報は苦手です。
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第44回2020.04.16オンライン取材でリアルな空気感をつくるため広報にできること新型コロナウイルスの感染拡大は広報業務に大きな影響を与えています。その1つがメディアからの取材対応です。これまではリアルな現場で行うのが基本の取材でしたが、現在はオンラインが増えています。便利な一方、限界もあります。少しでもリアルな雰囲気に近づけるにはどうすればいいのでしょうか。
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第43回2020.04.08広報やPR会社の「丸ごと提案」企画がなぜだめなのか日々、記事化を目指してメディアへの売り込みに懸命な企業の広報。新型コロナウイルスの感染拡大で発表会の開催もままならない今、その手腕が問われています。そこで今回は、記事化しやすいように“お膳立て”された「提案型広報」にスポットを当てます。メディア側も大歓迎と思いきや……。