生成AI(人工知能)「ChatGPT(チャットGPT)」を使ってどこまでプレスリリースが作れるのか、挑戦してみた筆者の遠藤眞代さん。指示文(プロンプト)に苦労しながらも、なんとかベースとなる文章は出来上がりました。今回はその後編です。

イラッとしてキレ気味になった指示に対しても、淡々と答えを返してくれるChatGPT。広報の強い味方になり得るか ※画像はイメージ(画像提供:CHUAN CHUAN/Shutterstock.com)
イラッとしてキレ気味になった指示に対しても、淡々と答えを返してくれるChatGPT。広報の強い味方になり得るか ※画像はイメージ(画像提供:CHUAN CHUAN/Shutterstock.com)
▼前編はこちら 広報ヤバイ、「ChatGPT」でプレスリリースを作ってみた

 今回、ネットのライブ配信を手掛けるLivePark(東京・港)のプレスリリース(2023年4月13日配信)を、ChatGPTを使って作成することにしました。まずは前回作ったプレスリリースのベースとなる「第2回修正版」をご確認ください。薄紫のマーカー部分がChatGPTが書き換えてきた部分で、取り消し線が削除してきた部分。そしてオレンジのマーカーは私自身で書き換えた部分です。

※第2回修正版


株式会社L(本社:〇〇市、代表取締役:〇〇 〇〇)は、AI(人工知能)を活用した業務の効率化と革新を推進するため(改善を目指し)、全社員を対象に「ChatGPT Plus」などのAIツールの使用料を全額サポートすることを発表します

近年、AI技術は目覚ましい発展(急速な進展)を遂げ、企業業務の効率化や新しい価値の創出に関して高い(における業務効率化や新たな価値創造に大きな)期待が寄せられています。弊社(株式会社L)は、業務プロセスのAI化に向けた取り組みを加速する(の一部のAI化を見越した活用の模索を図る)ため、全社員(社員一人ひとり)がAI技術を理解し、適切(な)活用(が)できるよう「ChatGPT Plus」などのAIツールの使用料を福利厚生として全額サポート(補助)します。この取り組みは、AIが急速に進歩していく中で、業務プロセスや新規サービスに対してAIを活用できるヒントを探るための支援も兼ねています。

これにより、社員はAIツールを自由に使いこなすことができ、AI技術への理解が深まり、より高品質なサービス提供に繋げることを目標としていますまた、(株式会社Lは、この全額補助プログラムにより)社員が新しい技術に適応(対応)し、組織(企業)全体で(の)イノベーションを促進できる(こ)(を)期待しています。今後も(同社は)、技術の進展(進歩)応じて(合わせて)取り組み内容を随時見直し、(さらなる)業務の効率化やサービス品質の向上に努めて参り(取り組んでまいり)ます。

段落に分けて指示を出してみた

 どうでしょう、想像以上に文章としてまとまっていると思いませんか。しかし、ここからさらに磨きをかけていかねばなりません。会社の方針に沿うような文言を盛り込ませた他、段落ごとの役割が明確でなかったので、以下のような指示を伝えました。

遠藤:「新しい価値の創出」に関して。将来的には、社員の経験や知見だけでなくAIを活用することによって全く新しいアイデアの創出、AIとの対話による仕組み自体の見直しなどによるサービス価値の向上などが期待できる。そのため早いうちから社員一人ひとりがAIとの向き合い方を身につけることが肝要と考えている。ということを入れてください。

遠藤:【課題】【対策】【今後の展開】といった形に段落を分けて、整理されたプレスリリースにしてください。

 その指示を受けて、ChatGPTが出してきた「第3回修正版」がこちらです。

※第3回修正版


【課題】

近年、AI技術は目覚ましい発展を遂げ、企業業務の効率化や新しい価値の創出に関して高い期待が寄せられています。将来的には、社員の経験や知見だけでなくAIを活用することによって全く新しいアイデアの創出、AIとの対話による仕組み自体の見直しなどによるサービス価値の向上が期待されています。しかし、AI技術を効果的に活用するためには、社員一人ひとりがAIとの向き合い方を身につけることが肝要です。

【対策】

株式会社Lは、AI(人工知能)を活用した業務の効率化と革新を推進するため、全社員を対象に「ChatGPT Plus」等のAIツールの使用料を全額サポートすることを発表します。全社員がAI技術を理解し、適切に活用できるよう、「ChatGPT Plus」などのAIツールの使用料を福利厚生として全額サポートすることで、社員はAIツールを自由に使いこなすことができます。

【今後の展開】

これにより、社員のAI技術への理解が深まり、より高品質なサービス提供に繋げることを目標としています。また、社員が新しい技術に適応し、組織全体でイノベーションを促進できることを期待しています。今後も、技術の進展に応じて取り組み内容を随時見直し、業務の効率化やサービス品質の向上に努めて参ります。弊社は、AIが急速に進歩していく中で、業務プロセスや新規サービスに対してAIを活用できるヒントを探るための支援も兼ねて、この取り組みを継続していく方針です。

 このように、ある程度リリース作成に必要なパーツを集めておいてから、段落ごとの役割を伝え、整理してもらうのは良い方法ではないかと思います。

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