至って普通のプランに、多額の料金をふっかけてくるPRエージェンシーも存在します。相手を見極められないのが悪いのでしょうか。だとすれば、一度広報に関するノウハウ本を読んでみるのがお勧めです。できれば、自社で自らやってみると課題が浮き彫りになるはずです。数十万円、数百万円の出費を考えれば安いものです。

広報に関する優れた本が数多く出版されています。1冊読み込んで広報の仕事の流れをつかんでみると、PRエージェンシーの見極めに役立ちます ※画像はイメージ(画像提供:ex_artist/Shutterstock.com)
広報に関する優れた本が数多く出版されています。1冊読み込んで広報の仕事の流れをつかんでみると、PRエージェンシーの見極めに役立ちます ※画像はイメージ(画像提供:ex_artist/Shutterstock.com)

有名なのが良いPRエージェンシー?

 私は企業内の広報ではなくて、いわゆるPRエージェンシーと呼ばれる会社を経営していますが、ほぼ1人でやっています。必要に応じて、信頼の置ける仲間にヘルプをお願いするというスタイルで業務を乗り切っています。

 私の会社で受けている仕事は、だいたい次のような内容です。

・広報担当者がいない会社で広報担当者の仕事をする。
・広報担当者がいる会社で、伴走者兼広報担当者として仕事をする。
・広報担当者としてではなく、広報コンサルタントとして仕事をする。
・広報事務局として、メディア向けイベントの集客や受付を手掛ける。

 フリーランスになってから、上記のような広報業務の外注を受けていますが、使い方が下手だなぁと思うことが多々あります。

 フリーランスになりたての頃の経験ですが、ある企業の広報担当者の1人として超大手のPRエージェンシーの方の提案を聞く機会がありました。その企業は広告がメインで、それまで広報という活動自体はほとんど経験がありません。そのPRエージェンシーはクライアント企業の足元を見たのか、何の変哲もない広報プランを、さも素晴らしいかのように、その上すごい金額をふっかけて、堂々と提案してきました。かなり前のことなので、詳しい内容は忘れてしまいましたが、見ているこちらのほうが恥ずかしくなったほどです。

 提案を聞いている企業担当者をちらりと見たとき、そのプランを素晴らしいと思い込んでいるのか、とても感心している様子でした。知らないということが、いかに恐ろしいことか。怖い世界だなぁと思い知りました。ソニー(現ソニーグループ)の広報時代は提案される側も経験値が高いため、そうした経験は皆無でしたから、それはもう驚きでした。

 もちろん大手のPRエージェンシーはクオリティーが担保されていますし、素晴らしいプランを提案されることが多いものです。だからこそ驚いてしまいました。ただ、この悪例を目の当たりにしてから、企業側にはPRエージェンシーに頼む前に自身でやってみることをお勧めしています。やってみて簡単だと思う方もいるでしょうし、思ったようにできないと思う方もいるでしょう。今や素晴らしい広報のノウハウは、書籍からでも入手できます。数十万円、数百万円支払う前に、数千円の書籍を購入して読み込んで、書いてあることを「自ら」実行してみてください。とにかく、本に書いてある通りやってみることです。

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