地上波のテレビ番組や全国紙の新聞で取り上げられるとなれば、企業広報としては軽くステップでも踏みたくなるのではないでしょうか。しかし、そうそう浮かれてもいられません。急きょ予定が変更になり、我が社のニュースが放送(掲載)されない場合もあります。こればっかりはどうしようもないのですが……。

さすがのiPhoneも、キング・オブ・ポップにはかないません ※画像はイメージ(写真:Vicki L. Miller/Shutterstock.com)
さすがのiPhoneも、キング・オブ・ポップにはかないません ※画像はイメージ(写真:Vicki L. Miller/Shutterstock.com)

 突然ですが、2009年6月26日が何の日だかご記憶でしょうか。この日は(時差の関係で米国では25日)、「キング・オブ・ポップ」といわれた大スター、マイケル・ジャクソンが亡くなった日です。大スターの訃報に世界中のファンが涙を流したことは、皆さんの記憶にも鮮明に残っているのではないでしょうか。

 しかし同じ日に、(恐らく)世界中の広報が違った意味で涙を流したことは、あまり知られていないかもしれません。実はかく言う私もその一人でした。それは「自分の会社のニュースが飛んでしまった」ことへの涙です。

目を泳がせながら足早に立ち去る記者

 最近では広報した内容がWebニュースや動画チャンネルに取り上げられ、そこから大きな話題になることが増えています。しかし、やはり「地上波のニュース」に取り上げられるというのは、全国版の新聞に掲載されるのと同様に、広報としては“大金星”の露出なのです。ただしこれらの媒体の問題は、テレビならばニュース番組の放送時間枠、新聞なら1回の発行のページ数という上限の中で内容を取捨選択するため、「一旦決まったニュースが落ちる」ケースがよくあることです。

 中でもテレビのニュースはなるべく視聴者の関心の高い重要ニュースを報道すべく、直前までダイナミックに放送内容が変わります。番組が始まってからでも放送内容が変更されることもあるくらいなので、数日前の事前取材の際には「当日大きなニュースがあると、放送内容が変わることがあるかもしれません」とくぎを刺されます。

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『マスコミ対策の舞台裏 役員からの電話で起こされた朝』

『マスコミ対策の舞台裏 役員からの電話で起こされた朝』
2022年12月19日発行
 連載「風雲! 広報の日常と非日常」が本になりました。これまで3年半以上に及ぶ、約150本のコラムの中から、「マスコミ対策」に焦点を絞って再編集。企業や個人までも手軽に情報発信できるSNSがもてはやされる今日ですが、“バズった”記事の出どころをたどると、マスコミの記事や番組であることが少なくありません。だからこそ、企業は「情報の源流」でもあるメディアへの対策を十分に練り、正しい情報を伝え、記事や番組として発信してもらう重要性がこれまで以上に高まっていると言えます。本書は連載でおなじみの現役広報パーソンである二人の著者(鈴木正義氏、遠藤眞代氏)が、20年以上にわたる記者や編集者との生々しい駆け引き、社内でのあつれき、成功談・失敗談から導き出された「記事や番組に採用されるためのテクニック」「メディアとの関係構築法」「危機感管理術」などを、当時の現場の様子や本音を交えながらリアルに書きつづっています。読み物としても楽しめる中身の濃い1冊に仕上がっています。

第1章 広報しか知らないマスコミの素顔
第2章 取材対応こそ危機管理の要
第3章 経営者が知っておくべきマスコミ対応の落とし穴
第4章 掲載を勝ち取るマスコミへのアプローチ
第5章 天国と地獄が交錯するプレス発表会
第6章 今だから言える企業広報の裏話
全83エピソード(350ページ)
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