地上波のテレビ番組や全国紙の新聞で取り上げられるとなれば、企業広報としては軽くステップでも踏みたくなるのではないでしょうか。しかし、そうそう浮かれてもいられません。急きょ予定が変更になり、我が社のニュースが放送(掲載)されない場合もあります。こればっかりはどうしようもないのですが……。
突然ですが、2009年6月26日が何の日だかご記憶でしょうか。この日は(時差の関係で米国では25日)、「キング・オブ・ポップ」といわれた大スター、マイケル・ジャクソンが亡くなった日です。大スターの訃報に世界中のファンが涙を流したことは、皆さんの記憶にも鮮明に残っているのではないでしょうか。
しかし同じ日に、(恐らく)世界中の広報が違った意味で涙を流したことは、あまり知られていないかもしれません。実はかく言う私もその一人でした。それは「自分の会社のニュースが飛んでしまった」ことへの涙です。
目を泳がせながら足早に立ち去る記者
最近では広報した内容がWebニュースや動画チャンネルに取り上げられ、そこから大きな話題になることが増えています。しかし、やはり「地上波のニュース」に取り上げられるというのは、全国版の新聞に掲載されるのと同様に、広報としては“大金星”の露出なのです。ただしこれらの媒体の問題は、テレビならばニュース番組の放送時間枠、新聞なら1回の発行のページ数という上限の中で内容を取捨選択するため、「一旦決まったニュースが落ちる」ケースがよくあることです。
中でもテレビのニュースはなるべく視聴者の関心の高い重要ニュースを報道すべく、直前までダイナミックに放送内容が変わります。番組が始まってからでも放送内容が変更されることもあるくらいなので、数日前の事前取材の際には「当日大きなニュースがあると、放送内容が変わることがあるかもしれません」とくぎを刺されます。
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