アスリートが本番で素晴らしいパフォーマンスを発揮できるのは、たゆまぬ努力と日々のトレーニングがあってこそ。その意味では広報もアスリートです。どんな案件であっても成果を出せるよう、己を鍛えることが大切です。重く考えることはありません。広報力のアップに効く、易しいトレーニング方法を紹介します。

広報も日々のトレーニングが最高の結果に結び付く ※画像はイメージ(写真:Rocksweeper/Shutterstock.com)
広報も日々のトレーニングが最高の結果に結び付く ※画像はイメージ(写真:Rocksweeper/Shutterstock.com)

日々ケーススタディーに取り組むことの重要性

 2021年の夏は、多くのアスリートの活躍に感動をもらった方も多いでしょう。世界で戦うアスリートでさえ、大舞台に立つために人知れず毎日トレーニングを積み重ねていると想像するだけで、気が遠くなります。

 広報という仕事柄、さまざまな分野のプロフェッショナルや業界でも尊敬されるような立場の方と出会う機会があります。こういった方々も、ほぼ例外なくアスリートのように本番に備えて努力を積み重ね、日々何かしら自分なりのトレーニングを実行しているように見えます。大抵の場合、自身に努力している意識はなく、生活の一部として取り入れている感じです。

 例えばものすごく英語のできる方は、これ以上勉強しなくても良さそうなのに、ちょっとした単語でも疑問を感じたら、その都度調べて確認しています。頭の回転の速い人は、相手を見つけてはいろいろなテーマで議論を持ち掛けたりして(笑)、こうやって反応の速さと視野を広げたりしているのだな、と勝手に想像しています。

 そこで今回は、「広報アスリート」になるために必要な、メディアへの売り込みポイントを見いだすトレーニング方法を紹介します。ストイックにならず、暇な時間に楽しんでやってみてください。

 広報は、往々にして自分が担当している商品やサービスに肩入れし、それらが世界の中心のように感じてしまうため、視点が偏ることがよくあります。その半面、「それではいけない」という気持ちが働き過ぎて、マイナス面ばかり目について良さが分からなくなる、というのもありがちです。

 私がソニーの広報にいた時は、社内で多くの案件が同時進行していたので、同僚の仕事を横目に見ながら、自分も経験したかのように多くのことを学んできました。こうした恵まれた環境で学べればよいのでしょうが、誰もがそうとは限りません。

 大企業の広報部門に在籍していなくても、ケーススタディーを活用すれば、担当商品やサービスなどに対して広報が客観的な視点を持つためのトレーニングになります。それは他社の過去事例などを使って、課題を分析し、答えを導き出す手法です。

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