会社にとって広報機能は不可欠です。しかし、広報部門や広報担当者を「不要」と考える経営者も少なくないようです。確かに会社によってはそう認識されてもやむを得ないケースもありそうです。それはどんな場合でしょうか。

おっと、広報担当者ならうちは「ノー」だ ※画像はイメージ(画像提供:Krakenimages.com/Shutterstock.com)
おっと、広報担当者ならうちは「ノー」だ ※画像はイメージ(画像提供:Krakenimages.com/Shutterstock.com)

 実は「うちの会社には、専従の広報なんて必要ないよ」とおっしゃる企業トップの方が、結構いらっしゃいます。テレビや新聞によく露出するような規模の企業には当てはまりませんが、日本の会社全体ということで考えれば、経理や総務などと違って、広報担当がいなくても困らないと考える企業のほうが多いかもしれません。では、なぜ広報が必要ではないのか、その理由を考えていきましょう。

社長が優秀な広報パーソン

 まず、社長など経営層が広報業務を行える、あるいは広報的な動きが得意なケース。これは広報担当者を置いていないのではなく、企業のトップが広報を兼ねている会社です。そもそもコミュニケーション能力が高く、メディアとのパイプも太い経営者の方はたくさんいらっしゃいます。悔しいですが、専従の広報担当者がメディアとやり取りをするよりも、経営者が直接メディアとやり取りをするほうが何倍も効果があるので、必要ないのも納得です。

 とはいえ、いくら処理能力が高くても、1日は24時間しかないのは平等です。メディアとのやり取りが増えれば、サポート役として広報担当者が必要になるでしょう。このような会社のケースだと、広報担当者より社長のほうが広報スキルも高く、本来なら自身でこなしたいという心持ちでしょうから、広報担当者の行動が細かな部分まで気になって仕方ないはずです。ですから広報担当者も「全部自分でやらないと」と気負わず、社長が得意な部分はある程度任せてしまって大丈夫です。むしろそのほうがスムーズに事が運ぶでしょう。前述のとおり、社長自ら動いたほうが広報効果は高いので、結果的に会社のためになります。

 反対に社長は役割分担を明確にして、広報担当者に権限譲渡をしてください。面倒で難しい仕事だけでなく、楽しい仕事も振っておくと、広報担当者のモチベーションが維持できるに違いありません。

広報を行うデメリットが大きい場合

 場合によっては、会社として広報を据えるメリットよりデメリットのほうが大きいケースもあります。広報はマーケティング活動の一環ですから、経営者としては費用対効果が気になります。当然、広報活動には人件費も時間も必要になります。例えば、拡大よりも現状維持がベストと経営判断した事業があるとします。そうした場合、メディアに売り込むニュースネタを掘り起こすのが難しく、広報活動はお金も時間もマイナスになるだけですから、担当者の必要性がないという判断もあるでしょう。

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『マスコミ対策の舞台裏 役員からの電話で起こされた朝』

『マスコミ対策の舞台裏 役員からの電話で起こされた朝』
2022年12月19日発行
 連載「風雲! 広報の日常と非日常」が本になりました。これまで3年半以上に及ぶ、約150本のコラムの中から、「マスコミ対策」に焦点を絞って再編集。企業や個人までも手軽に情報発信できるSNSがもてはやされる今日ですが、“バズった”記事の出どころをたどると、マスコミの記事や番組であることが少なくありません。だからこそ、企業は「情報の源流」でもあるメディアへの対策を十分に練り、正しい情報を伝え、記事や番組として発信してもらう重要性がこれまで以上に高まっていると言えます。本書は連載でおなじみの現役広報パーソンである二人の著者(鈴木正義氏、遠藤眞代氏)が、20年以上にわたる記者や編集者との生々しい駆け引き、社内でのあつれき、成功談・失敗談から導き出された「記事や番組に採用されるためのテクニック」「メディアとの関係構築法」「危機感管理術」などを、当時の現場の様子や本音を交えながらリアルに書きつづっています。読み物としても楽しめる中身の濃い1冊に仕上がっています。

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