まるで「ニコニコ生放送」を見ているよう

 イベントの構造は極めて単純で、要はオンラインセミナーと同じで、Zoomにログインした社員にスライドを見せて幹部がプレゼンをする、というスタイルです。ただ、一つ違っていたのは「チャットツールでの雑談OK、むしろ歓迎」というルールを敷いたことです。するとリアルイベントにはなかった「他の人と雑談する」という、予期せぬ“サイドコンテンツ”が発生しました。

 「お、山田君表彰されてる、おめでとう!」
 「ありがとうございます」
 「早食い以外に取りえあったんだな」

 「このプレゼンのテンプレ欲しい」
 「センスいいよねー」
 「作ったの誰?」

 このプレゼンみんなどう感じてるのかな、ああ私と同じ感想だな、この人の突っ込み面白いな……などなど、まるで「ニコニコ生放送」を見ているかのような楽しさと一体感が生まれたのです。これは全く予期しなかったことです。

 大体において、小学校での校長先生の話に始まり、社会人の社長訓話まで、私たちは誰かの話を聞くときに「傾聴」ということを強いられてきました。しかし校長先生の訓話の最中に、こそこそ周りの友達とおしゃべりする子がいたのと同じく、実は私たちはリアルタイムに共感したいという欲望があるのだと思います。

 「社長の訓話中にけしからんじゃないか」と言われるかもしれませんが、恐らく適度な(あくまで適度なです)雑談によって、プレゼンの内容はより理解が進むのではないかと思います。

 というわけで、予期せぬ好感触を得た社員集会だったのですが、現在は何をしているかと言いますと、「Product day」というオンラインイベントを不定期で開催しています。

 実は当社は毎週金曜は本来の定時である午後5時30分より1時間早く業務を切り上げ、自分のスキルアップのためにその時間を好きに使ってよい、というルールがあります(ちなみにスキルアップと関係なく早めに仕事を切り上げても構いません)。そこでこの1時間を使って、最近記者発表した新製品について担当者に質問したり、サプライズの社員割引のオファーを発表したりと、柔らかいコンテンツを配信しています。当然ここでもチャットツールを使って社員同士にワイワイ雑談をしてもらっています。こうなるともう「しらふでやるオンライン飲み会」に近いイベントになってきます。

 新型コロナウイルス感染症の収束はまだまだ先が見えません。その中でテレワークは新しい働き方のオプションとして定着していくことでしょう。オンラインイベントがたまたま受けたからといって浮かれることなく、次なる社員交流、士気高揚のアイデアを考えていかねばなりません。世の社内広報担当者の皆さん、頑張りましょう。