マスコミに情報を売り込みたくても、どこから手を付けたらいいのか分からない方も多いでしょう。いきなりマスコミに押しかけても、話を聞いてもらうのは案外難しいもの。せっかく記者と会えても、セールスポイントをうまく伝えられない。今回はそんな方に役立つマーケティングの基礎知識を紹介します。

マスコミに売り込む前に、製品情報をきちんと整理しておくことが大切 ※画像はイメージです(画像提供:Rawpixel.com/Shutterstock.com)
マスコミに売り込む前に、製品情報をきちんと整理しておくことが大切 ※画像はイメージです(画像提供:Rawpixel.com/Shutterstock.com)

広報の情報整理に使える「SWOT分析」

 マスコミに自社の商品やサービスを売り込む際に、ネタづくりのヒントとなる手法が「SWOT(スウォット)分析」です。SWOTとは、「Strength(強み)」「Weakness(弱み)」「Opportunity(機会)」「Threat(脅威)」という4つの要素の頭文字を意味します。ご存じの方も多いと思いますが、マーケティングの意思決定などに使われる有名なフレームワークです。シンプルでとっつきやすく、広報活動を展開する際の基本的な情報整理に大変便利です。

 今回は広報の仕事の中からある事例を切り出して、客観的かつ正確に把握することを目的にSWOT分析を使ってみようと思います。最初はあまり大きく構えずに、1つの商品やサービスなど分かりやすい事柄に絞って練習するのがお勧めです。プレスリリースの作成を控えているなら、その発表内容をまとめるために使ってもいいでしょう。

 早速ですが、やり方を簡単に説明します。SWOT分析とネットで検索すれば、2×2の4つの四角が並んだフォーマットが出てきます。そこには縦軸を内部環境と外部環境、横軸をプラス要因とマイナス要因とした4つの枠があります。そこに先ほどの4要素を当てはめると、以下のようになります。

 広報的視点で言うと、内部環境は「ブランド」「技術」「マーケティング」「人材」「ロジスティックス」など、自社が持つ資産や資源、ノウハウなどをイメージしていただけるといいでしょう。これに沿って、左上にその商品やサービスの「強み」を、右上には「弱み」を書き込みます。あまり難しく考えずに埋めてみてください。弱みは案外思いつきにくいのですが、課題点という視点で埋めてみてください。ポイントはできるだけ具体的に書くということ。

 同じく下段の外部環境は、「市場トレンド」「社会的動向」「競合他社動向」などをイメージするといいでしょう。分かりやすいところでは、オリンピック・パラリンピックなどのイベントは外部環境に当てはまります。新型コロナウイルスの感染拡大が収束した後の“アフターコロナ”も、ここに書いてもいいでしょう。

 左下の「機会」は、SWOT分析をする対象がどういう状況に置かれるとビジネスチャンスになり得るかといった点をイメージしながら書きます。右下の「脅威」は外部環境でどういうことが起きると困るか、リスクが生じるか、といったような事柄を記入します。競合他社が自社より素晴らしい商品を発売する、というのも脅威になるでしょう。

 外部環境は機会と脅威が表裏一体だったりするので、共通の項目も出てくるかもしれません。例えば為替や関税率といった外部環境の変化は、プラスにもマイナスにもなり得ます。その機会なり脅威が訪れたタイミングで、何が起こるか、何を実行するつもりなのか、についても書き出しておくと、完成度は上がるでしょう。