ポジフィルムや紙焼きの時代と違い、デジタル化によって現在は商品画像の提供が楽になりました。メール添付やダウンロードなど、本当に便利な時代ですね。しかし、そこに落とし穴があります。マスコミの記者や編集者はどんなところが気になるのでしょうか。

デジタル化で広報画像の提供が本当に楽になりました ※画像はイメージです(画像提供:hanec015/Shutterstock.com)
デジタル化で広報画像の提供が本当に楽になりました ※画像はイメージです(画像提供:hanec015/Shutterstock.com)

昔はTIFF、今はJPEGが主流の広報画像

 対マスコミで考えると広報はサービス業的な側面がありますが、今回は企業広報の役割の1つである「広報写真の提供サービス」を運営するに当たっての基礎知識について掘り下げます。

 この30年足らずの間に広報写真を取り巻く環境は激変しました。その昔、プレスリリースの作成よりもかなり前から商品写真の手配を始めていました。デジタルデータが主流の現在と違って、写真が出来上がるまでに時間がかかりましたから当然でしょう。

 まだ量産が始まっていないタイミングで撮影準備に取り掛かる。商品がカセットテープの場合は包装用フィルムを入手し、ダミーのカセットケースに入れ、キャラメル包みでラッピングしてアイロンの熱で溶着。これでやっとスタジオで撮影です。数日後にようやく紙焼きとポジフィルムが手に入る。カメラがアナログの時代はこれが当たり前でした。

 新人広報だった2000年代初めでも、プロ用のカメラはまだアナログが主流でした。出版社にポジを送ったり、発表当日は記者クラブに紙焼きを持って行っていくのは広報の仕事の1つです。ほどなくポジフィルムを専用の読み取り機にセットし、データ化する作業が広報の仕事になりました。デジタルデータを扱うようになっても、パソコンのスペックは今ほど高くはありません。Adobe Photoshopを動かしたり画像データをメールに添付したりするとフリーズしまくるので、夜中までパソコンの前で時間を費やしました。どの企業の広報もそのような感じだったのではないでしょうか。

 対応策として各社が広報写真のダウンロードサイトを立ち上げ始めたのが、15年ほど前からだと思います。たまたま私がその担当になったのですが、当時はまだ電機業界では他に1社しかそうしたサイトを作っていませんでした。それなりに苦労しましたから、仲の良いマスコミの方に電話でヒアリングしまくったのを覚えています。当時、紙媒体で圧倒的にニーズの高かった画像フォーマットはTIFF。少したってからJPEGのニーズが高まっていきました。

 こうした変化はデジタルカメラの普及と高性能化が大きな要因ですが、広報写真の提供サービス自体も外部環境に合わせて提供方法やスペックを見直してきました。今はクラウドサービスの活用を含め、さらに環境が変わりましたよね。そんな興味もあり、独自に行ったマスコミアンケートで「広報画像」について質問してみました。

 好ましい画像ファイル形式に関して主要なマスコミの方106人に質問したところ(複数回答可)、予想通り約98%が「JPEG」と回答されました。ちなみに私が昔、頑張ってポジフィルムからデータ化していた「TIFF」はわずか8%でした(ガッカリ)。当時はニーズのあった「PSD(Photoshop)」が約5%、昔はニーズのなかった「PNG」が約23%もありました。Web用の記事に使いやすいということなのでしょう。この様子だと、今のところはJPEGを用意しておけばどうにかなりそうです。