広報のメモはその後どうなるのか

 さて、広報が一生懸命取ったメモですが、その後どうなるのか。取材対象者の方はそこまで気にしたことはないのではないでしょうか。

 まじめにやる場合は「取材メモ」として清書し、本日こういう取材があり近く記事が出ます、という情報を社内に通達する際に使います。これを怠ると、例えば社長インタビューが新聞に出ていたとする、その新聞をたまたま営業先で会ったお客様が読んでいて、その件を聞かれたにもかかわらず、営業部長が何も答えられなかった。これはどう考えてもマズイわけです。実はこの原稿を書いている、つい3日くらい前にも同じことを私がやらかしてしまい、書きながらちょっと心が痛んでいます。

 とは言え「テープ起こし」(なぜいまだにテープという言葉がなくならないのか)は、なかなか骨の折れる仕事です。1時間の取材なら要点をまとめるだけでも1時間以上はかかるでしょう。広報を担当したことのない方は「1時間の取材は1時間の仕事」と思われるかもしれません。しかし事前の取材資料の準備も含めると、1本のインタビューに対しその3倍くらいの時間を要しているのではないかと思います。

 そして、実は取材した記者側も全く同じ「テープ起こし」の作業をしているわけです。これはいかにも非効率です。

 我々人類は「仕事」と称している時間のうち、かなりの時間をこうした「書類作成」に費やしているのではないか、これってなんとかならないのかと、特に最近気になっています。というのも、音声認識がかなり発達して、録音すると片っ端からテキストにしてくれるAI(人工知能)サービスが出てきているからです。

 ただ、かなり良くなってきたとはいえ、まだまだ本気で使うレベルではないというのが正直な感想です。AIがさらに発達すれば、取材が終わった瞬間に「〇〇記者、本日の取材のテキストはこちらのクラウドにアップしてあります」といったサービスを広報ができるのではないかと期待しています。

 そして英語のインタビューの場合、ここに翻訳作業も付いてきてこれがまた地獄なわけです。自動翻訳もついこの間までは誰かの寝言のようなレベルだったものが、かなりよくなってきました。2045年、AIが人類の知能を超える「シンギュラリティ」が訪れるといわれていますが、最近の自動翻訳の出来栄えを見ると、個人的にはもうAIに超えられてしまったと痛感するときがあります。

 広報の仕事もどんどん変わっていきそうです。