プレスリリースを書いている広報の立場からすると、丹精込めて作り上げたプレスリリースは、隅から隅まで読まれていると思いたくなるものです。しかし、ほとんど目を通さずに“ゴミ箱に直行”という悲しい話を耳にすることも少なくありません。実際はどうなのでしょうか。

「どうか読んでください」、そんな思いもむなしく…… ※写真はイメージです(写真:one photo/Shutterstock.com)
「どうか読んでください」、そんな思いもむなしく…… ※写真はイメージです(写真:one photo/Shutterstock.com)

メディア関係者にアンケートを実施

 フリーで仕事をするようになって良かったことの一つは、以前にも増して周りのメディアの方々との距離が縮まったことです。メディアに関連する仕事のフリーランスには、ライターや評論家だけでなく編集者の方もたくさんいます。会社勤めが長かった私にとって、明日仕事が無くなるか分からないフリーランスという働き方は不安しかなく、多くの方に人生相談を持ち掛けました。ついでに仕事の相談もぶつけているうちに、メディアの方々の広報に対する本音が聞こえてくるようになりました。

 「プレスリリースを読まずに食べちゃう黒ヤギのような方もいるらしい」――。そういう話を聞くたびに、「やり方が古いのではないか……」と不安になるものです。

 メディアに関する情報量が不足しているため、広報活動に失敗してしまうのは残念なことです。メディアを取り巻く環境は大きく変化しているのに、10年前と同じ方法で広報を続けてしまうのも恥ずかしいですし、なにより機会損失が大きい。そんな不安を一掃するために、2018年から独自に「マスコミアンケート」を始めました。今夏もプレスリリースの送受信にまつわるアンケートを行ったので、このコラムで紹介させていただきます。

 回答者は新聞、ウェブ、雑誌などの第一線で活躍されている方々合計109人。仕事の関係上、首都圏在住の家電やIT業界の方が多く、会社員(メディアに所属)とフリーランス(独立されている方も含む)が半々ぐらいで、40代前後のベテランも多くいらっしゃいます。ほぼ全員と面識がありますが、マメで丁寧な方が多い。お忙しいなか、面倒なアンケートに回答してくださるくらいですから。広報はマーケティング活動の一つですが、メディアという“顧客”に関する数値的な分析をあまり見かけません。メディアの本音や置かれている環境を把握することで解決できる業務もあると思います。どうぞ参考にしてください。

95%がプレスリリースをメールで受信

 早速ですが、メディアの方々は毎日どのような方法で、何通くらいのプレスリリースを受け取っていると思いますか。「プレスリリースの受け取り方法は?(複数回答可)」の問いに対する回答は、約95%の方が企業や代理店からメールで受け取っていました。想定通り圧倒的でした。

 特に驚いたのは「封書で届いている」との回答が約42%もあること。同じ紙でもFAXは約16%。私が広報を始めた頃はFAX送信も多かったのですが、「紙がもったいない」「検索性が低い」「共有しづらい」という理由でファクシミリをやめた編集部の話を聞いたことがあります。この割合は業界によって多少異なると思いますが、FAXがどんどん減っている印象です。

 IT系の方の回答が多いためか、メッセンジャーでの受け取りは50%を超えていました。私も失敗したことがあるのですが、メッセンジャーは相手との関係の深さによっては不快に思う方や、検索性の悪さや共有のしにくさを指摘する方もいます。飲みに誘えるくらいの親しい関係でなければ、利用は控えたほうが無難でしょう。その他、Twitterは約12%、LINEは約7%でした。