※日経トレンディ 2019年6月号の記事を再構成
2019年の上半期ヒット商品に加え、令和ヒットを予測する特集の2回目は、「食品」を取り上げる。ここ数年の食品ヒットの条件として欠かせない「健康志向」。令和を前に、この流れに変化の兆しが見えてきた。
震源地はコンビニのおにぎり棚。ローソンが18年10月16日に発売した「悪魔のおにぎり」が、発売13日で約265万個という異例の販売スピードで、20年間不動の王者・ツナマヨを抜き去る大番狂わせを起こした。天かすと天つゆを使った「カロリー、糖質、脂質の固まり」(ローソン)で、パッケージでは「やみつき」をうたう、この逆張り戦略が奏功し、「好きなものを好きなだけ食べたい」という人々の欲望を掘り起こした。次いで19年は、吉野家の「超特盛」が1カ月で100万食の大ヒットとなるなど、健康志向の揺り戻しヒットが続く。
列島病み付き!“悪魔級ヒット”がSNSから飛来

(ローソン)
18年夏ごろSNSで話題になった「悪魔のおにぎり」を、「異例のスピード」(ローソン)で18年10月に商品化し、大ヒットにつなげた。消費者が病み付きになる“悪魔的”な味で、累計販売数は4月中旬時点で何と2900万個を突破。「20年間売り上げトップに君臨していた王者ツナマヨを抜いた」(同社)。雑炊やせんべいなど、多数の派生商品も生まれている。
「悪魔」の仲間が増殖中
おにぎりにも新種登場
発売1カ月で100万食を突破した“欲望グルメ”

(吉野家)
「肉を心置きなく食べたい」。ファンの欲望に応えた吉野家の「超特盛」(税込み780円)が、1カ月で100万食を突破する想定外の大ヒット。牛肉の量が大盛の2倍で1000kcal超と、健康志向の逆を行く新潮流だ。一方で、並盛の4分の3サイズの「小盛」(税込み360円)も1カ月で60万食を突破。
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