2019年4月に開催された「ミラノサローネ」と「ミラノデザインウィーク」。世界が注目するイベントで、独自の技術や素材を前面に出し、趣向を凝らした展示で存在感を示した日本企業を振り返る。第1回は家具メーカーのマルニ木工。米アップルの新社屋に製品が採用され、評価が上がっている。
毎年4月に開催される「ミラノ国際家具見本市(ミラノサローネ)」と、同時期に市内全域で行われる「ミラノデザインウィーク」。双方を合わせ総イベント数はおよそ2000カ所にも上るといわれるなか、ミラノサローネは主にブランドコンセプトや新製品を発表し、商談をする具体的なビジネスの場として高い評価を得てきた。
一方、ミラノデザインウィークはより自由なプレゼンの場であり、企業やブランドが目指す世界観を伝えたり、自社技術に対するフィードバックを得たり、あるいはデザイナーやクリエイターとの新たな出会いを求めたりと、様々な目的があり、その展示内容もバリエーションに富む。
今回のミラノサローネおよびミラノデザインウィークにおいては、日本からの出展者の多くが独自の技術力や特殊素材へのアプローチを前面に出し、趣向を凝らした展示空間で存在感を強めていた。
58度目の開催となったミラノサローネでは、また新たな試みが見られた。ロー・フィエラ本会場の1万4000平方メートルを使った新エリア「Sプロジェクト」だ。ここは、会期前から期待が集まっていた。
これまで他のホールに出展していたコントラクトに強い企業の中から87社が選出され、さらにイタリアの老舗家具メーカーB&Bが照明ブランドのフロスとルイス・ポールセンを統合して数年ぶりに出展したことも大きな話題のひとつ。デンマークのフリッツ・ハンセン、クヴァドラ、米エメコといった日本でもよく知られるブランドのブースが立ち並び、インテリアからアウドドア、照明や音響に至るまで多ジャンルを横断的に紹介する場が誕生した。
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