シェアリングビジネスの台頭により、消費者が「利用対価」という新しいモノサシで価格を判断するようになり、ブランドのカスタマーリレーションに影響を与えることを前回紹介した。今回は、「シェアリング時代にはどんな製品が売れるのか」という観点で考察したい。
購買価格から売却価格を差し引いた「利用対価」が、シェアリングビジネス時代を生きる消費者の意思決定における新たな尺度として加わった。「今買おうとしている商品が将来フリマアプリで売れるのか」「どのくらいの金額で売れるのか」という視点で購入を判断する消費者が増えつつある。
実際、フリマアプリユーザーの42%は、「新品で買っても、後でフリマアプリを使って高く売れそうだ」という理由で商品を購入した経験があることが調査結果から浮かび上がっている。モノを購入する際には、2次流通市場で売れ行きが良いかどうかが重要になっている。では、どのようなブランドやモノに消費者は注目するようになったのだろうか。
まず、2次流通市場に一定の取引量があるブランドやモノである。消費者は、2次流通市場に出回っていない商品だと「売れるかどうか」判断できない。売れる可能性が高いと判断した場合、次に「いくらで売れるか」という観点が重要だ。消費者にとっては、2次流通市場での売却価格と1次流通市場での購入価格の差が小さい方がありがたい。値崩れしにくいブランドやモノに注目が集まりやすいと言える。
実は、この2点を満たすブランドが既に存在している。その1つがユニクロだ。
ユニクロが、メルカリで最も取引されているブランドであることをご存じだろうか。その理由が「ただ安いから」だと考えるのは少し短絡的だ。メルカリでユニクロの製品を検索すると、新品と変わらない価格で売買されていることが分かる。
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