インスタの情報発信を通じてコアなファンを獲得

ゆうこす そんなに謙遜しないでください。同じようにネットショップを運営したい人は多いと思いますが、最初にブランドを立ち上げるときは、認知してもらうのが大変ですよね。当初はどんな施策を打っていましたか?

田中 最初はずっとInstagramで情報を発信していました。COHINAは、インスタと口コミで広がったと思っています。ブランドを立ち上げたばかりで商品がない時期から、アカウントだけは作っていました。スタッフが「今日の私服」などと題して、「ユニクロのあのアイテムのSサイズはぴったりだった」など、小柄な女性が気になる情報をひたすらアップしていましたね。そのうち、「COHINAの服が似合うかはわからないけど、小柄な自分に有益な情報を発信してくれるアカウント」と感じてくれた人が徐々に集まってくれるようになりました。「COHINA」というブランドそのものではなく、「小柄と自覚している女性が集まるプラットフォーム」にインスタはなっていたと思います。

ゆうこす 私もCOHINAさんのアカウントは拝見しましたが、毎日インスタライブをやっていますよね。集まってくる視聴者の中で、身長以外に特色や共通点はありますか?

田中 ライブ配信に来てくれる人は「つながりたい」という気持ちが想像以上に強いと思います。例えば、お客様が私たちも知らないところで非公式のLINEグループを作って、COHINAの製品を実際に着てみた感想などをシェアしています。また、オフ会を開催するなど定期的に集まって疑問や悩みをお客様同士で解消しているみたいですね。

ゆうこす コアなファン同士の活動が自発的に生まれてコミュニティーを形成してくれるのはブランドとしてとてもうれしいですね。また、他の企業やブランドにとっても、コアなファン層は喉から手が出るほど欲しいはずですが、COHINAさんはどうして獲得することができたのでしょうか?

田中 コミュニティーなどは、私たちも意図していなくて気づいたらでき上がっていたので、何か仕掛けた自覚は正直に言ってありません。ただ、これまでの情報発信を振り返ってみると、他のブランドよりもお客様との距離感は圧倒的に近いと思います。

 距離が近くなる要因として、インスタのライブ配信は大きいですね。配信では、コメントをくれる人の名前を覚えて読んだりなど、「みんなで一緒にやっている」という空気感をとにかく大事にしています。例えば、以前自分の身長をプリントできるTシャツを作りましたが、商品名を視聴者と一緒に決めるなど、「視聴者も共にCOHINAを作っている」感覚を持ってもらえるような施策を打っています。

 他にも服の生地が出てきたタイミングでどっちのカラーがいいかを選んでもらうなど、視聴者一人ひとりがCOHINAを作っているというアイデンティティーを持ってくれた結果、仲間という意識が芽生えてきたのかなと思います。

ゆうこす ライブ配信は距離を縮める上で有効なツールなのですね。そこまで視聴者を意識してライブ配信をしているブランドはなかなかないと思います。ライブ配信機能はBASEにも用意されていますが、次回も引き続き神宮司さんと田中さんに、ライブ配信を成功させるコツや今後の展望について伺いたいと思います。

(写真/稲垣 純也)


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