ゆうこすがさまざまな分野のプロフェッショナルから学んでいくこの連載。後編の今回は、auの三太郎シリーズや家庭教師のトライなどのテレビCMを手掛ける篠原誠氏に、YouTuberやインフルエンサーが活躍する今の動画業界について思うことや、篠原氏独自のアイデアの発想法、テレビCMの今後などについて聞いた。

(編集部)
 前回(関連記事「クリエイティブディレクター篠原誠の「伝えるコツ」 ゆうこすが聞く」)は、篠原氏が大切にしている「共感」や「好感」を生むCMのつくり方や、メッセージを伝えるコツを学んだ。次にゆうこすが注目したのは、CM業界と動画業界の違いや関わりについて。CM業界の最先端を行く篠原氏と、ライブ配信業界をけん引するゆうこすに、お互いの考えを語ってもらった。

プロフェッショナルの紹介
今回インタビューしたのは、CM好感度ランキングで1位を獲得し続けるauの「三太郎シリーズ」や、UQモバイル、家庭教師のトライなどの有名CMを手掛ける篠原誠氏。大学卒業後、電通へ入社。2018年に「篠原誠事務所」を設立して、CMだけでなく作詞やドラマの脚本なども手掛けている。

広告は認知度で起用タレントを決めることが多い

ゆうこす ここ数年でYouTuberやインフルエンサーが台頭してきましたが、CMをつくる側として、彼らのような存在をどう見ているのか気になります。私は今までにいくつかCMに出演しましたが、ネット中心のYouTuberなどを起用しているケースをあまり見たことがなくて……。制作側から見ると、YouTuberやインフルエンサーはCMに使いにくいのでしょうか?

篠原誠氏(以下、篠原)  確かに、見かけるのはHIKAKINさんくらいですかね。

ゆうこす 女性のYouTuberやインフルエンサーは特に見たことがありません。

篠原 使いづらいというわけではないと思います。テレビは赤ちゃんからお年寄りまで、性別関係なく広く触れるマスメディアです。80~90%の人にリーチ(到達)できるメディアなので、認知率がとても重要です。

 例えば、CMに出演する人を選ぶとき「20代だけによく知られている人」を採用するのは少しもったいないです。前回、「テレビCMで好感や共感を生むためには有名な人を使う」という考え方があると言いましたが、「20代の女性でファッションに敏感な人」だけが知っている人物をテレビで起用しても、大部分の人には知らない人が出ているということになります。つまり、大部分の人に共感や好感が生まれず、CMのパワーが弱くなってしまいます。ゆうこすさんやHIKAKINさんは既に一部のターゲットではなく、マスに当たる大部分の人たちにも知られているので、CM出演を提案しても通りやすいのだと思います。

ゆうこす うれしいですね。有名な芸人の方が「YouTuberの何が面白いんや!」とおっしゃっていることがあったので、テレビ局の方々に私たちは嫌われていると思っていました。もっと認知度を上げるために、NHKの朝ドラに出られるように頑張ります!

篠原 民放のテレビ業界は広告収入モデルなので、メディアと広告って業界が近いように見えますが、結構違います。広告業界はYouTuberを避けていませんし、今やテレビだけで成立するプロモーションを考えていません。ネットやPRもすべて、どうすれば一番波及するかを重視するので、YouTuberやインフルエンサーの方々はむしろ、協力してもらう相手だと思っています。