昆布のつくだ煮で50%以上の市場シェアを持つ「ふじっ子煮」や、「おまめさん」などのロングセラー商品で知られるフジッコ。昆布や豆といった伝統的な食材をベースに、売り上げは創業時から右肩上がりを続けている。なぜフジッコは強いのか、執行役員で昆布事業部長の紀井孝之さんを直撃した。
創業の商品は、とろろ昆布
小口覺(以下、小口) フジッコさんの主力商品は、昆布と大豆ですが、売り上げはどちらが大きいのでしょうか?
紀井孝之さん(以下、紀井) 昆布が事業としては一番大きいです。その次が豆で、最近はおかず事業も伸びています。あと、ヨーグルト・デザート事業があり、我々のコア事業本部はその4つの事業で構成されてます。
小口 昆布や豆といった伝統的な食材で、創業以来売り上げを伸ばし続けている。その理由を探りに来ました。
紀井 まず歴史から言うと、1960年の創業時は「富士昆布」という社名で、現在「純とろ」の名称で販売している、とろろ昆布が最初の商品でした。
小口 とろろ昆布には懐かしい思い出があります。子どもの頃、祖母がとろろ昆布にしょうゆを垂らしてお湯を入れたお吸い物をよく作ってくれました。
紀井 関西の方ですか?
小口 生まれは神戸です。
紀井 東京の方はあまりとろろ昆布を食べる習慣がないんですよ。しょうゆとお湯を入れるのは関西の文化ですね。
小口 お味噌汁やうどんにも入れますよね。おにぎりに巻いたり。
紀井 きっと同じ世代ですね。中学校が弁当だったんですけど、弁当箱を開けたらとろろ昆布が敷いてあって、蓋にも付いてるみたいな。
小口 まったく同じです。(笑)
紀井 そういう文化もだんだん途切れつつあるのですが、意外に今でも愛されていまして。先日、フジッコの好きな商品をSNS(交流サイト)でアンケート調査した結果、純とろは5位に入ってるんですよ。
この記事は会員限定(無料)です。
- ①2000以上の先進事例を探せるデータベース
- ②未来の出来事を把握し消費を予測「未来消費カレンダー」
- ③日経トレンディ、日経デザイン最新号もデジタルで読める
- ④スキルアップに役立つ最新動画セミナー