ロングセラーの菓子「アスパラガスビスケット」「たべっ子どうぶつ」などで知られるギンビス(東京・中央)。「たべっ子どうぶつ」のキャラクターをグッズ展開することで、子どもを持つ親だけでなく、若い女性にもリーチして売り上げを伸ばしている。マーケティング部の石川麻樹さんを小口覺氏が直撃する。
小口覺(以下、小口) 「たべっ子どうぶつ」といえば、動物の形に英単語が印字されたビスケットですが、最近はキャラクターのグッズが話題になることが増えました。グッズ展開を強化された理由は?
石川麻樹さん(以下、石川) たべっ子どうぶつは1978年発売のお菓子で、子どもの頃に親御さんに買ってもらって食べた思い出のある人が多いと思います。しかし年齢が上がると食べる機会が減り、自分が親になる年齢まで離れてしまう。
小口 教育目的とまでは言わなくても、子どもに買い与えるビスケットというイメージが強いお菓子です。
石川 それが、たべっ子どうぶつブランドの良さでもあり、弱いところでもありました。ユーザー層からごそっと抜け落ちていた10代、20代の若者世代にどうやったらアプローチできるか考えて、キャラクターの強さを生かすことにしました。若者世代が足を運ぶところにキャラクターと出合える場をつくっていけば、もう一度ブランド自体を思い返してもらえるのではないかとカプセルトイにしたり、グッズにしてゲームセンターや書店のヴィレッジヴァンガードなどで展開を始めたりしました。それが約4年前になります。
小口 正直、たべっ子どうぶつのキャラクターをあまり認知していなかったのですが、この子たちには名前があるのですか?
石川 特に名前は付いてなくて、「らいおんくん」「ぞうさん」「かばさん」などと呼んでいます。
小口 ライオンだけ「くん」?
石川 “たてがみ”があるので男の子ですね。多くの動物は性別なく「さん」付けです。
小口 ジェンダーレスは時代に合っているかもしれませんね。キャラクターデザインは社内で?
石川 発売当初のパッケージは、イラストレーターのはらJINさんによるものです。今は協力会社のイラストレーターにお任せしています。
小口 絵柄は踏襲していますね。発売当初と比べると、パッケージに描かれているキャラクターは6匹から9匹に増えています。キリン、ゾウ、ワニ、ヒヨコなどが新メンバーに。
石川 動物園での人気などを考慮し、90年代に変更しました。
小口 以前からキャラクターの認知度は高かったのでしょうか?
石川 それまでパッケージに9匹並んだ形で出ていたので、バラバラになったときにどれだけ認知されるか心配はありました。あと、元がパッケージの絵だけだったので、最初にカプセルトイのフィギュアを作ったときは、3Dのデータに起こすのが大変でした。誰も後ろ姿を見たことがなかったので。(笑)
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