音楽CDをスマートフォンに直接取り込めるバッファローの「ラクレコ」がSNSで話題になっている。同製品のマーケティングを担当する根本将幸さんは、デジカメやスマホなどの写真を保存・管理し、テレビで楽しめる「おもいでばこ」の開発にも携わってきた。この2つに通底する思想を小口氏が直撃する。
小口覺(以下、小口) 2021年6月に発売された「ラクレコ」の反響がすごいですね。「昔買ったCDをスマホで聞けてうれしい」という声が多いようですが、スマホで音楽を聴く手段としてサブスクが全盛の時代に、この製品を出された理由を教えてください。
根本将幸さん(以下、根本) 昨年(20年)の春に企画が立ち上がり、市場調査を行いました。そこで、音楽CDをスマホに取り込むのが大変という声が多いのが分かったんです。
理由は2つあって、1つは音楽CDをパソコンに取り込む作業が大変、もう1つはパソコンに取り込んだ楽曲データをどうすればスマホに移せるのか分からないということでした。それに自分でCDは持っているけどサブスクになっていないなど、まだCDでしか聴けない曲がある。娘が中学校の英語の学習用CDを持って来て、「パパ、これスマホに入れられないの?」と言われたこともあります。だからそういう需要があるんだなと。「ラクレコ」は当初の想定以上に売れていますが、女性ユーザーが比較的多いです。
小口 私の娘もジャニーズの某グループのファンで、サブスクでは聴けないのでCDを取り込んでくれと言ってくることがあります。アイドルのファンの中には、CDが欲しくて買ったけど、スマホへの移し方が分からないのでCDでは聴いていないという人もいるんでしょうね。
根本 「ラクレコ」の製品紹介ページには、実は男性のアイドルグループをイメージしたイラストを載せています(笑)。
小口 パソコンのない家庭もあるし、あっても最近は光学ドライブが付いていない機種が増えている。CDは買うけど、聴くときはYouTubeの公式チャンネルで聴いてたりします。
根本 でもCDは全盛期にはシングル・アルバム合わせて年間4億枚以上の市場があって、今でも年間1億枚の規模がある。各家庭にかなりの数のCDが存在しています。需要は大きいと考えています。
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