蝶(ちょう)ネクタイにエプロン姿でテレビに登場し、一風変わった家電やグッズを紹介する、ekky(エッキー)ことサンコーの広報部長・﨏(えき)晋介さん。今もっともTVメディアに露出している広報担当者であるekkyがテレビ出演やプレスリリース作成といった広報活動で心がけていることは何か、小口氏が直撃した。

サンコー 﨏(えき)晋介広報部長。2015年1月サンコーに営業として入社、15年3月よりリリース作成業務を兼務。17年6月に広報部を設立し、広報業務を1人ですべて担当する。現在もメディア対応、リリース作成はすべて1人で担当している。手にしているのは最近の売れ筋という充電式コードレス電動肉&パン切り包丁「エレクトリックナイフ」
サンコー 﨏(えき)晋介広報部長。2015年1月サンコーに営業として入社、15年3月よりリリース作成業務を兼務。17年6月に広報部を設立し、広報業務を1人ですべて担当する。現在もメディア対応、リリース作成はすべて1人で担当している。手にしているのは最近の売れ筋という充電式コードレス電動肉&パン切り包丁「エレクトリックナイフ」

つまるところは人間関係

小口覺(以下、小口) テレビなどを見ていて思うのは、仕事で鍛えたプレゼン能力や、広報としてのスキル以前に人当たりの良さがすごいことです。

﨏晋介さん(以下、﨏) 営業もそうですが、結局は人間関係だと思うんです。相手の方に、この人と仕事したいと思われることが大事なので、メールなどの返事はなるべくすぐにしますし、言葉遣いも含めて気持ちよく接するよう心がけています。男女の感覚の違いもあるので、そこも意識しています。例えば相手が男性であれば「あなたのおかげです」と承認欲求を満たすように、女性であれば「こうしてくれてうれしい」と共感するようにメールを書いています。

小口 先ほどトークスキルを学ぶ予定とおっしゃっていましたが、現場で接する芸能人から学ぶこともあります?

 もちろん多いです。特にすごいと思ったのは、陣内智則さんやジャングルポケットの斉藤慎二さんです。テレビはしゃべる時間がかなり限られますが、そのなかで一言で刺さるキーワードを言ってくれる。大いに学ぶところがあります。あと、以前はAD(アシスタントディレクター)だった方が今はディレクターになっていたり、異動して他局の番組を作っていたりするので、誰に対してもちゃんとした対応をするように心がけています。

小口 それは、売れる芸能人の心がけと共通していますね。

 ADは仕事が多く負担がかかっている方が多いので、なるべく負担をかけないよう準備を手伝うこともあります。

小口 新型コロナ禍で取材の形に変化はありましたか?

 2020年4月の緊急事態宣言をきっかけにリモート取材が一般的になってきたので、それまでアプローチできていなかった地方局からの取材や出演依頼が多くなっています。

小口 リモート出演で気をつけていることは?

 クオリティーを高めるため、カメラとマイクはパソコン内蔵のものではなく、別に用意して使っています。目線が下がらないように正面にカメラをおいて目の位置をキープし、その向こうにディスプレーをおきます。また、リモート取材はネットワーク環境の影響を受けるので、録画した映像と音のデータを別途送るようにしています。正面だけでなく斜めからの映像もあったほうがよいと判断すればカメラも2台用意します。

リモート出演中の姿。カメラを正面に、その先にディスプレーをおいている
リモート出演中の姿。カメラを正面に、その先にディスプレーをおいている

小口 ここまでテレビ番組にやさしい広報さんはなかなかいないでしょうね。社長はどう評価されていますか?

山光博康さん(以下、山光) メディアさんのことを考えて動いてもらっている。ただ、メディアの方々も自分自身で考えて番組を作られているので、あまりやりすぎないようにとは言っています。

小口 広報部長になられたのはいつですか?

 もともと広報は私1人だったので名乗ってなかったんですが、メディアによっては肩書があると安心感が出るということなので、名乗るようにしました。20年7月にSNSと動画制作の人員として1人入ったので、広報部は今2人体制です。

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