おしぼりは70円、ロマネコンティは450万円に大幅値上げ

小口: おしぼりが有料で70円。これも面白い。

鈴木: 晩杯屋では、お通しも取り皿も一切出さない。そうすることで人件費や無駄な経費をカットし、ドリンクや料理を安く提供できる。最初は、おしぼりも一切用意していなかったのですが、おしぼりが欲しいという声も聞かれました。しかし、全員におしぼりを渡す代わりにドリンクが10円ずつ上がるのでは本末転倒です。なので欲しい方のみ。ただ有料にしても面白くないので、コットン100%で洗濯にも耐える高級なおしぼりを提供しています。

小口: 確かに、しっかりしたおしぼりでした。

鈴木: 晩杯屋が有料で販売するおしぼりですから。

ひとつ70円のおしぼりは、しっかり厚みがあって、2人で共用しても十分
ひとつ70円のおしぼりは、しっかり厚みがあって、2人で共用しても十分

小口: 面白さと言えば、メニューにある完全前金予約制のロマネコンティ。約245万円値上げして450万円になっていました。

鈴木: ロマネコンティはシャレ要素強めです。以前の価格は205万7000円。オープン当時は40万~50万円出せば買うことができたのですが……。Twitterなどでロマネコンティの話が知られるようになって、本当に注文されたらどうしようと改めて価格を調べたところ、非常に値上がりしておりまして。それで、値上げに踏み切りました。

200円、300円台のドリンクが並ぶ中、450万円のロマネコンティが混じっている
200円、300円台のドリンクが並ぶ中、450万円のロマネコンティが混じっている
【意識低いポイント】「ロマネコンティはシャレ要素強めです。本当に注文されたらどうしようと改めて価格を調べたところ、非常に値上がりしておりまして」
実際に頼んだ客がいるかは非公開とのこと。いずれ、ヒカル、ラファエルあたりの“金持ちユーチューバー”が「晩杯屋でロマネコンティ頼んでみた」なんて動画を出しそうではある。

ライバルは居酒屋ではなくコンビニ

小口: 調査や他店を視察することはありますか。

池本: はい。他のお店を広く知っておいたほうがいいですから。それは創業者の金子さんもそうですね。居酒屋だけではなく、ターゲットがかぶっている中食、コンビニやデパートの食品売り場をチェックし、それらよりも安く提供できるようにする。

鈴木: 私もコンビニのお総菜やおつまみ、冷蔵ショーケースは毎日必ずチェックしています。冷蔵ショーケースは以前よりもアルコールの種類や面積がかなり増えていますし、お総菜の種類も豊富です。

池本: コンビニでは、9%のストロング系のチューハイ、量も350ミリリットルではなく500ミリリットルを購入している人が増えているのではないでしょうか?

小口: 自分自身もそうですね。それにしても、ライバルは完全に家飲みなんですね。

鈴木: 勝手にライバル視しています。客単価が1000~1300円ですので、一般的な居酒屋とは異なります。また、2000年の時点で3万8000店だったコンビニは現在5万5000店舖を超えています。外食市場が奪われている可能性を感じます。

池本: コンビニでストロング缶1本とサラダチキンとサラダを買うぐらいの値段で、晩杯屋ならチューハイと煮込みとハムカツがご提供できるので、ぜひ来てほしいです。

鈴木: 我々の強みとしては、焼きたて・揚げたてのアツアツを提供できることと、お刺し身などの鮮魚ですね。

小口: 量も1人飲みにちょうどいいですよね。スーパーのお総菜だと、基本家族向けなので量が多めですし。

鈴木: 常にコンビニよりもボリュームがあって安い値段で提供するよう意識しています。とはいえ、10月の消費税増税で軽減税率が導入されると、我々には逆風です。

小口: 中食よりも2%不利ですね。晩杯屋のメニューは税込み表示ですが、増税で値上げされるのでしょうか?

池本: 検討中ですが、企業努力で何とか税込みで据え置きたい。

小口: おお! 外税にはしない。

鈴木: 財布の中身を気にしながら来ていただいているお客さんに対して、消費税の計算を強いるのは違うと思うんですね。

池本: 価格を10円単位に税抜表示にしておいて、「安いな」と思っていたら会計で高くて「あれ?」 と思うことはありませんか。お客様にそう感じてほしくないのです。

鈴木: 価格は安いけどジョッキサイズが小さかったりすると、自分が利用するときにさみしく感じることがあります。弊社では500ミリリットルジョッキでの提供にこだわりたい。

小口: 今後も期待しつつ利用させていただきます。本日はありがとうございました。

各店舗の電話番号のゴロ合わせがちょっと無理やりっぽくて笑えます
各店舗の電話番号のゴロ合わせがちょっと無理やりっぽくて笑えます

(写真/小口覺)