値引きは手間だから最初から安くして売る

土屋: これまでも、作った商品が売り切れなかったことはありません。この3年間は増産し続けていますが、絶えず売り切れて、加盟店さんからはお叱りを受けている状態です。値段を下げずに販売するので、定価販売率は99%です。廃盤の商品の3Lサイズが残ってたらそれを半額にするぐらいです。

小口: すごい!

土屋: カラーバリエーションはあっても、毎年流行に影響されるような柄物は少ないので、翌年でも売れるんです。ワークウェアは基本デザインを変えてはいけないんですよ。小さな会社でも、新人さんに同じ物を着せたいので、毎年同じものがないと。一人親方でも、仲間と働いていますから。やっぱり日本はチームワークですからそろえたいんですね。

小口: 一般のアパレルやファストファッションにはない視点です。定番なので値崩れもしにくい。

土屋: 値引きするぐらいなら最初から安くして売ります。店舗の商品の値段も付け替えなきゃいけないし、手間がかかりますから。うちの場合はチラシも、冬物がそろいました、というような案内がメインで、値引きは謳いません。

小口: 値引きは手間だからやらないとは、あらゆる商売から羨ましく思われそうです。

土屋: うちの場合、粗利を35%しか取っていません。一般的には、おそらく6割とか7割です。でも、アパレルは結局値引きしますから、だったら最初から安くして何もしないほうがいい。シンプル・イズ・ベストです。カインズやベイシアでも最初から安く売って、値下げはしない方針でやっています(※)。

※ワークマンは、スーパーマーケット「ベイシア」や、ホームセンター「カインズ」などを展開するベイシアグループに属している。
【意識低いポイント】「カラーバリエーションはあっても、毎年流行に影響されるような柄物は少ない」
衣料品を扱う企業では珍しい。ワークマンにもカモフラなどの柄物もなくはないが、トレンドの一歩前を狙うようなことはしていない。よって、大きく外すことがない。