攻めの新製品ラッシュの原点は「激辛」
小口: ペヤングといえば、その味や、白くて四角いパッケージなど、昔から変わらないイメージが強かっただけに、ここ最近の攻めたラインアップには驚いています。
ここ3年ほどの新商品でやきそばに限って見ても、「激辛カレーやきそば」「わかめMAXやきそば」「パクチーMAXやきそば」(2016年)、「チョコレートやきそば ギリ」「ペペロンチーノ風やきそば」「ソースやきそばプラス納豆」「背脂MAXやきそば」「酸辣MAXやきそば」「鉄分MAXやきそば」「超大盛やきそばハーフ&ハーフW激辛」「もっともっと激辛MAXやきそば」(2017年)、「夜のペヤングやきそば 夜食ver.」「塩ガーリックやきそば」「超大盛やきそばハーフ&ハーフもっともっと激辛×辛さゼロ」「たこやき風やきそば」「ピリ辛野菜炒め風やきそば」「炒飯風やきそば」「すっぱからMAXやきそば」(2018年)などなど、怒濤(どとう)の新味投入です。何をきっかけに連打するようになったのでしょう?
小島裕太さん(以下:小島): 2012年に発売した「ペヤング 激辛やきそば」が原点で、ここから各種の面白い味の展開につながっています。
小口: 「辛すぎてヤバイ」とネットでかなり話題になりました。なぜ激辛のやきそばを作ろうと?
小島: 以前にも、塩味、カレー、キムチとか色々な味付けをやきそばと合わせているので、その中の一つという考えです。どうせだったら、かなり辛いところまで行こうという方向で開発しました。ただ、最初に試作品をコンビニさんのバイヤーに持っていったんですが、「辛すぎる」と言われて、辛さを落としました。
小口: 落としてあれですか。
小島: 口に入れた瞬間の、舌に残る痛さを重視しました。激辛ブームは定期的に来ますが、タイミングが良かったのかもしれません。ここまで話題になるとは思っていませんでした。
小口: どのぐらい売れたんでしょう。
小島: 数字は公表していませんが、ほとんどの新商品がスポットで終わるところ、「激辛やきそば」に関しては、定番商品になっています。カップ麺の場合、新商品の98~99%は終売になってしまうんですよ。
小口: お菓子や飲料なども、新商品が生き残る確率が低いですが、カップ麺も定番化が難しい業界なんですね。