なぜピンクのアルパカがイメキャラに?

小口: 異色の施設、もっと言えばキワモノ的な扱いもネット上ではされがちな岩下の新生姜ミュージアムですが、旅行新聞の「プロが選ぶ観光・食事・土産物施設100選」に2年連続で選ばれています。

岩下: まずはお客さんに「行ってみたい」と思われる場所にすることを目指しました。そもそもは、岩下の新生姜のスペック・汎用性・健康効果などを伝えたいのですが、それは手前勝手な話です。だから、商品の宣伝的な要素もありつつ、それよりも、商品との関連においてお客様が喜ぶであろうことを優先して企画しています。何が喜ばれるかに関しては、Twitterをやっていて、感覚としてある程度は理解していました。僕としては、大きいもの、かわいいもの、数がたくさんあるもの、それらをヒントとして社内のスタッフに話をしました。大きなものは見上げるので首に負担がかかるため印象に残るんですね。

小口: 確かに、新生姜のオブジェなど巨大な物が多い。キャラクターも異彩を放っていますね。ジンジャー神社の狛犬ならぬ“狛鹿”「イワシカ」、ピンクのアルパカ(新生姜アルパカ)は完成度が高いじゃないですか。

たくさんのピンクのアルパカが、かつて美術品が展示されていたケースに並ぶ。数があるだけで、ちょっとアートっぽい!?
たくさんのピンクのアルパカが、かつて美術品が展示されていたケースに並ぶ。数があるだけで、ちょっとアートっぽい!?
ジンジャー神社。狛犬ならぬ狛鹿「イワシカ」のデザインは一般から募集された。おみくじや絵馬、お守りもある
ジンジャー神社。狛犬ならぬ狛鹿「イワシカ」のデザインは一般から募集された。おみくじや絵馬、お守りもある

岩下: アルパカはオリジナルのキャラクターではありません。もともとはゲームセンターの景品アイテムだったのを、ピンク色にしただけです。ミュージアムをオープンする1年以上前、ネット通販を立ち上げた際のキャンペーンで作ったのですが、1500円以上お買い上げの方にプレゼントとTwitterで告知したら、一晩で200体がなくなりました。

小口: アルパカを採用した理由は?

岩下: 単純にかわいいから。それだけです。アルパカと新生姜、何の関係もないので(笑)。最初はどうかと思ったんですが、かわいければ好きになってもらえる。あえて関連性をつけるべく、色を新生姜色のピンクに変えましたが。ピンクだけでも大丈夫ということを教えてくれたのが、このアルパカですね。この1年後にミュージアムをオープンさせるんですが、この経験から展示のトーンをピンクに決めて、色々なグッズもピンクで押し出すことになったのです。

 「ピンク。なるほど、岩下の新生姜の色ね」という腑(ふ)に落ち方もあるんですね。「岩下の新生姜とアルパカの関係」が腑に落ちなくても、「ピンク」なのでぼんやりと納得してしまう。そういうものかなと。そういう小理屈よりも「かわいいな」「楽しいな」って思いのほうがずっと大事なので、コンセプト至上でストライクゾーンをわざわざ狭め過ぎないほうが、お客様に喜んでいただけるように思います。

【意識低い系ポイント】「アルパカと新生姜、何の関係もないので(笑)。最初どうかと思ったんですが。かわいければいいんだ」
前回の「NewGinger」が英語として正しいか正しくないかという問題と同じく、「ピンク」なら商品との関連づけOKというおおらかさが、オリジナリティーや楽しさにつながった。
ネットをざわつかせた「新生姜ペンライト」。販売は終了したが、ミュージアム内では無料で貸し出している
ネットをざわつかせた「新生姜ペンライト」。販売は終了したが、ミュージアム内では無料で貸し出している
巨大な新生姜のかぶり物には、プロジェクションマッピングも投影される。繰り返される「♪い~わしたの、しんしょうがっ!」のメロディに洗脳されそうになること間違いなし
巨大な新生姜のかぶり物には、プロジェクションマッピングも投影される。繰り返される「♪い~わしたの、しんしょうがっ!」のメロディに洗脳されそうになること間違いなし
撮れる写真は、インスタ映えというよりは、Twitterウケだろうか
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