人気アウトドアブランド「ザ・ノース・フェイス」を手がけるゴールドウインの研究開発施設「テック・ラボ」。最先端の研究設備だけでなく、ノースの最上級ラインの生産拠点も同居する同施設の狙いは、開発から生産、販売まで手掛ける同社の強みを引き上げることにあった。
富山県西部に位置する小矢部市。ここにノースの商品開発を支える“秘密基地”がある。ゴールドウインが創業の地に開設した研究開発施設「ゴールドウイン テック・ラボ」(以下、テック・ラボ)だ。
ワンフロアで約1000坪あるスペースに、3次元計測装置を備えたスキャナー室やさまざまな気象条件を人工的に再現して製品テストを行う人工気象室、モーションキャプチャーによる動作測定が可能な運動研究室など、最先端の設備がそろう。
「テック・ラボはスポーツを通じて人間が人間らしくあるためにはどうすればいいかを追求するための施設。『走る』『跳ぶ』『泳ぐ』『登る』などさまざまなスポーツの動きが人間のどんな機能がベースになって行われているかをきちんと理解し、足りないものは何か、要求されているものは何かを体系的に分析・整理して新しいアイデアに結び付けるのが狙い」(ゴールドウインの渡辺貴生副社長)。
3次元スキャナーで取得した体形データを3DCADに取り込んでパターン設計に落とし込むだけでなく、見た目のシワのシミュレーションまで行う。衣服に当たった空気が衣服内でどのように流れていくかをシミュレーションし、その結果を生かして開発されたのがノースの「スパイラルジャケット」だという。
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