パロアルトインサイトCEO(最高経営責任者)の石角友愛氏とCTO(最高技術責任者)の長谷川貴久氏が、米国のビジネスと技術の最新情報から、次のトレンドを予測する連載。今回は米アップルの開発者向けカンファレンス「WWDC 2019」を長谷川氏が読み解く。
私が米アップル本社に在籍していた2011~17年の間は、毎年6月に開催されるWWDC(Worldwide Developers Conference)は特別な意味を持っていた。アップルは社内でも秘密主義を徹底しているため、社員だからといって当日発表される内容を全て知っているわけではない。どちらかというと、全く知らなかった内容が発表されて驚かされることのほうが多かった。14年に発表されたプログラミング言語のSwiftなどはその好例だ。こんなプロジェクトがあるなどという噂すら聞いたことがなかった。
そのため、自分たちが一生懸命に作り上げてきた機能や、他のチームが達成した素晴らしい結果を見るため、社員一同で食堂に集まってライブ中継される発表を見ていた。アップルでは社員が自社製品の最も大きなファンである。
今年のWWDCも、新しいMac ProというデスクトップPCの発表や、Apple Watchが電話から独立する傾向など、大きな発表がいくつもあったが、今回は陰の主役に注目したい。プライバシー、パフォーマンス、そして生産性だ。
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