パロアルトインサイトCEOの石角友愛氏とCTOの長谷川貴久氏が、米国のビジネスと技術の最新情報から、次のトレンドを予測する連載。今回はAI(人工知能)を活用したチャットボットの今とこれからを取り上げる。

米NBAのゴールデンステート・ウォリアーズはAIチャットボットなど、最新テクノロジーの導入に積極的なことで知られる(写真/AP、アフロ)
米NBAのゴールデンステート・ウォリアーズはAIチャットボットなど、最新テクノロジーの導入に積極的なことで知られる(写真/AP、アフロ)

 チャットボットにおけるAI(人工知能)導入というと、大半の人はまだ、比較的単純な自動返信ソフト程度と考えているかもしれない。お客様センターに来る問い合わせに自動的に対応するツールのイメージが強いチャットボットだが、米国ではマーケティング領域でエンゲージメントアップなどのために活用されることが多い。単なる効率化ツールと思っていると大きな機会損失になりかねない。

 例えば、米NBA(プロバスケットボールリーグ)のゴールデンステート・ウォーリアーズは、チームオーナーのジョー・レイコブ氏がシリコンバレートップクラスのベンチャーキャピタルのパートナーも務めていることから、かなり早い時期からテクノロジーを積極的にあらゆるところに導入することで有名だ。

 1年ほど前にリリースしたFBメッセンジャーアプリのAI搭載ボットは、試合の日になると通知を送ってきたり、試合を見逃した人のためにハイライトで動画を見せてくれたり、ファン同士でクイズをして正解した人に賞品が当たったりという、ファンのコミュミニティー形成ツールとして活用されている。アプリがリリースされてから1年も経たずに100万人のファンを獲得した。今後はアレクサなどに展開をするという。

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