
売れる!CMキャラクター探偵団
マーケティングで重要なCM。さまざまなメディアに露出する、タレントや著名人といったCMキャラクターの選定には、どの企業も力を入れる。製品やサービスを消費者に伝えるCMキャラクターは、言わばマーケティング担当者が描く「理想のメッセンジャー」。狙ったターゲットの獲得に向け、企業はCMキャラクターをどのように選び、彼らに何を託すのか。緻密なコミュニケーション戦略の裏側に迫る。
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第48回2021.03.26アサヒ ビアリーのCMで、本田翼とハマ・オカモトがちら見せなワケアサヒビールが新しく発売する“微アルコール”ビールテイスト飲料「ビアリー」は、責任ある飲酒を推進し、お酒の楽しみ方の多様性を尊重する同社の取り組み「スマートドリンキング」関連商品の第1弾。新たな飲酒習慣を浸透させるため本田翼とハマ・オカモトを起用し、通常より早いティザー広告を展開した。
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第47回2021.02.26ウェブ広告を「半減」 出前館はテレビCMでなぜ成功したのかダウンタウンの浜田雅功がスーダラ節に乗せ「出前がすいすいすい♪」と歌う、料理の宅配を手掛ける出前館のCMを目にした人も多いだろう。このCMで同社の新規顧客数は大幅にアップ。その背景に役員自らが陣頭指揮を執った広告戦略の改革があった。これまでWeb広告に充てていた広告費の半分をテレビ広告につぎ込んだ作戦が当たった。
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第46回2021.02.19林遣都と日向坂46で「うまいこと」伝えたワンデーアキュビュージョンソン・エンド・ジョンソン(J&J)のコンタクトレンズ「ワンデー アキュビュー」は、リモートワークの普及で新たな日常におけるコンタクトレンズの価値を訴求するため、2020年12月~21年1月にキャンペーンCMを放映。林遣都と日向坂46で伝えた「ニューノーマル、うまいことやろう!」のメッセージは大きな反響を得た。
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第45回2021.01.29桜井ユキの目力が強烈すぎる ジンの世界変えるサントリー「翠」「それはまだ、流行っていない。」――。憎らしいキャッチコピーと桜井ユキの目力に引き込まれそうなサントリージャパニーズジン「翠(SUI)」のCM。ハイボール、レモンサワーに次ぐ“第3のソーダ割り”を目指して開発された翠は、従来のジンのイメージを覆した。その原動力となったのが、放映直後に売り上げを約7倍にも押し上げたこのCMだ。
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第44回2021.01.22脱力系ダンスの本田翼で売り上げ1.6倍 女性狙う明星チャルメラ力の抜けた音楽に合わせて無表情で踊る本田翼が印象的な明星食品の「明星 チャルメラ 宮崎辛麺」のCM。2020年3月の発売から半年後の9月に放映されると、翌週の売り上げが放映前の1.6倍に急伸。テレビCMでは珍しくTikTokの楽曲を使用、本田と掛け合わせることで30代女性を狙ったという。
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第43回2020.12.25エリエールの紙おむつ 新米パパ・DAIGOに求めた優しさエリエールブランドを展開する大王製紙の紙おむつ「グーンプラス 敏感肌設計」は、質の高さと価格帯で二分されがちな紙おむつに、両方を兼ね備えたハイグレードセグメントという価値を提案する。製品CMはまれな同社だが、パパになったばかりのDAIGOを起用したCMは消費者に好評で社内の士気も鼓舞している。
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第42回2020.12.18米倉涼子も驚いた、奇抜な舞は本気の証し 美容液「カナデル」『8時だよ!全員集合』で加トちゃんのテーマ曲でおなじみだった『TABU(タブー)』をバックに、ドレス姿の米倉涼子が真顔で大胆な舞を踊る……。化粧品メーカー・プレミアアンチエイジングの高機能エイジングケアブランド「カナデル」のCMが注目を浴びている。米倉自身も当初は驚いたという奇抜なCMを作った背景とは。
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第41回2020.12.11手越祐也をあえて起用 ジョブカン、裏に拡散狙う元テレビマン哀川翔と手越祐也が上司と部下を演じる、10万社以上が利用するワンストップのヒューマンリソースシステム「ジョブカン」のCMは、掲載メディアをWebやタクシー車内を中心に据え、認知よりも拡散に軸足を置く戦略を選んだ。元テレビマンの制作陣の狙いとは。そして2人を起用した理由とは何なのか。
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第40回2020.12.04山本美月と竹内涼真で幅広い層を狙う 爽快感推すキリン氷結2001年に誕生したキリンビールのチューハイ「氷結」の新CMキャラクターは、山本美月と竹内涼真の2人。また新発売の「氷結無糖レモン」は高橋一生がキャラクターを務める。発売以降、年々ユーザーの裾野が広がる缶チューハイ市場の実情に合わせ、幅広い層に改めてブランドイメージを印象づける。
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第39回2020.11.27戸田恵梨香の姿に憧れて 佐川急便がCMに込めた女性社員の活躍佐川急便が2014年にスタートした先進的な物流のプロジェクトチーム「GOAL(GO Advanced Logistics)」。そのサービス内容をテレビCMで伝えるのはスーツ姿の戸田恵梨香だ。GOALメンバーとして顧客に物流ソリューションを熱くプレゼンする姿が印象的なこのCMは、実際に同社で活躍する女性の姿も体現している。
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第38回2020.11.20健康って大変? ゼスプリがキウイブラザーズで訴えたかったことグリーンキウイとゴールドキウイの「キウイブラザーズ」が踊ったり涙したりしながら、キウイフルーツの魅力を伝えるゼスプリ インターナショナル ジャパン(東京・港)のCM。2016年の放送以降、売り上げも認知度も大幅にアップした。人間味すら感じるキャラクターで伝えるメッセージとは。
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第37回2020.11.13杉咲花で若返り パンを「振る舞うから食べる」に転換のPasco豊かな自然と穏やかな音楽の中でおいしそうなパンが登場し、癒やされながらも食欲が刺激される「Pasco」ブランドで知られる敷島製パンのCM。小林聡美や深津絵里といった大人の女優が登場していたが、2020年にバトンを受け取ったのは杉咲花。今回初めて“食べる人”に目線を変えた演出が注目だ。
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第36回2020.11.09桑田佳祐「金目鯛の煮つけ」が生まれた理由 SOMPO新CMの裏側サザンオールスターズの桑田佳祐がサラリーマンに扮するCMが話題のSOMPOホールディングス。2019年にブランドスローガンを刷新し、その認知拡大のため国民的歌手をキャラクターに起用した。
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第35回2020.10.30軽快ステップの綾瀬はるか 新コカ・コーラ ゼロの前向き感を演出綾瀬はるかが軽快に踊る2020年8月にリニューアルしたコカ・コーラ ゼロの新CM。前向きなメッセージと音楽の爽やかさも話題になった。19年に3年ぶりに菅田将暉を起用したCMの反響の大きさが、今回の大々的なリニューアルを後押しした。歴代のブランドキャラクターがつないだバトンとは。
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第34回2020.10.26亀田の柿の種とは マツコ・デラックスが主婦目線で問う存在意義亀田製菓の「亀田の柿の種」は2019年のマツコ・デラックスを起用した施策で、柿の種とピーナツの比率についてファン投票を行った。その結果、従来の6対4から発売当初の7対3へと原点回帰した。20年9月には第1弾に続きマツコ扮(ふん)する主婦“ママツコ”が、柿の種の存在意義について疑問を投げかける。
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第33回2020.10.16日産社員も涙した 木村拓哉で描くクルマ愛と新しい現実2020年8月、木村拓哉が日産車を運転するCMが流れるや大きな話題を呼んだ。ロゴを20年ぶりに変更し、ブランド戦略を大々的に刷新した日産が、矢沢永吉に代わってアンバサダーにキムタクを選んだ狙いとは。同社日本マーケティング本部副本部長とエグゼクティブクリエイティブディレクターに話を聞いた。
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第32回2020.10.14ワンピースも登場、斎藤工と泉里香にブランドの成長託すIndeed求人検索エンジンIndeed(インディード)は、2017年から斎藤工と泉里香をCMに起用している。様々な職業人にふんしたり、人気アニメ「ワンピース」とコラボしたりと、常に意外性のある演出で視聴者の関心を集めてきた。変化し続けるブランド課題に即し、日本独自に展開する広告戦略とは。
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第31回2020.09.15長州力ならかんでも許せる 新ブラックサンダーのプロモが話題に有楽製菓(東京都小平市)のチョコレート菓子「ブラックサンダー」のリニューアルをWebでアピールするのは、元プロレスラーの長州力。初のラウンドボーイ役となってリニューアルを硬軟交えた表情で訴え、ネットで話題に。力強さとチャーミングさを兼ね備えた長州力でブランドの原点回帰を狙った。
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第30回2020.09.04CM好感度1位 おぎやはぎ矢作氏に聞くDMM英会話CMの舞台裏DMM英会話が5年以上前に制作したCMの再放映が、2020年5月前期のCM好感度1位を獲得して話題になっている。お笑いタレントのおぎやはぎ・矢作兼と同じくアイクぬわらが出演。バラエティー番組のスタッフが制作するなどCMでは異色の布陣だ。脚本も手掛けた矢作氏に舞台裏について聞いた。
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第29回2020.08.28リモートでも役所広司の魅力全開 クラフトボスCMの裏側Web会議システムの画面上に並ぶ堺雅人と役所広司が、リモートでほほ笑ましい掛け合いを見せるサントリー「クラフトボス」のCM。幸せな働き方を模索する「WORK&PEACE」をコンセプトに、時代に沿って変化する働き方を前向きに描く。クラフトボスの新顔、役所起用の理由を探った。
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第28回2020.07.10長澤まさみの関西弁は、CMを邪魔者にしないKINCHOの決意面白いCMを繰り出す企業と言えば「KINCHO(キンチョウ・金鳥)」で知られる大日本除虫菊(大阪市)を思い浮かべる人も多いだろう。中でもつり下げタイプの虫よけ剤「虫コナーズ」は、長澤まさみのアクの強いキャラクターと関西弁が話題に。人気女優が演じる“オバハンぽさ”の狙いとは。
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第27回2020.07.03ご飯ほおばる安藤サクラ 三姉妹に隠された象印“弱点克服”の鍵2018年に100周年を迎えた象印マホービンは新CMで初の試みに打って出た。テレビCMでは商品説明は行わず世界観のみ訴え、スペックや特徴はWeb動画で伝えるというもの。キャラクターには安藤サクラをはじめ演技派俳優を起用。その背景には耐久消費財特有の弱点を克服する狙いがあった。
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第26回2020.03.27今度は素の新垣結衣 クリエイターが明かす演出なしCMの舞台裏強さ、格好よさ、セクシーさ――。自社のサービスを強調せず、新垣結衣の「まだ誰も見たことのない」表情にこだわるGMOクリック証券のCM。最新10作目は新垣が友人とキャンプをする自然な姿を映し出す。全作品でクリエイティブディレクターを務める志伯健太郎氏にCMシリーズの狙いを聞いた。
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第25回2020.03.02金麦の顔が石原さとみに 檀れい、キムタクから大胆変更の理由サントリービールの新ジャンル「金麦」は2019年に実施した中身とパッケージ、宣伝広告の大刷新が奏功し、同ブランド史上最高売り上げを達成した。その勢いを反映するかのごとく、大胆にもキャラクターを長年看板を務めた檀れい、19年の木村拓哉から20年は石原さとみに変更。金麦の狙いとは。
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第24回2020.02.07日清ラ王、CMの子役に胸キュン続出 強すぎるキャラ問題も克服幼い男の子と女の子があどけない表情とたどたどしい言葉遣いで登場する「日清ラ王」のCMが、主婦層を中心に多くの視聴者の心をつかんでいる。人気に便乗し、別商品のCMにまでパロディー起用されるほどだ。キャラの誕生背景や子供のかわいさに負けない“売るための”CM作りについて探った。
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第23回2020.01.31YOSHIKIが生む強烈なイメージギャップを狙った「スーモ」リクルート住まいカンパニー(東京・港)の不動産情報サイト「SUUMO(スーモ)」のCMが視聴者を驚かせている。世界的アーティストのYOSHIKIが「スーモマーチ」をピアノで演奏し、キャラクターのスーモと共演。前作のDA PUMPと打って変わって荘厳な世界観に一変させた狙いとは。
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第22回2020.01.24海老蔵と国民的女優が共演、有村架純に若者獲得を託した伊藤園伊藤園が生み出した世界初のペットボトル緑茶飲料「お~いお茶」は、茶葉の栽培から関わり自社生産を徹底するなどおいしさを追求し続けている。そのCMキャラクターに既存の市川海老蔵に加え、17年には有村架純を起用。18年にはCMで共演を果たす。イメージチェンジを図った効果はあったのか。
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第21回2020.01.17戸田恵梨香でジレンマ解消 グリコ新CMのマーケ戦略とは「カロリーコントロールアイス」のリブランディングで2017年に誕生した江崎グリコの糖質オフシリーズ「SUNAO」。18年からテレビCMを開始し、19年に新キャラクターとして戸田恵梨香を起用した。“朝ドラヒロイン”として国民的女優となった戸田で解消したい糖質オフ食品ゆえの葛藤とは。
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第20回2019.12.06最適解は平野紫耀と藤原竜也 リサーチ戦に勝利したタウンワーク創刊20周年を迎えたリクルートジョブズ(東京・中央)の「タウンワーク」は、若手注目度ナンバーワンの平野紫耀と実力派俳優・藤原竜也を新CMに起用した。ともにブランドロゴが描かれた「箱」をかぶって登場し、2人の顔が映るのはラストの数秒間のみ。斬新な構成の裏に、同社のある変革があった。
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第19回2019.11.15ファミマCMで変幻自在の香取慎吾が復活、流れ変えた社長の一言慎吾ママから19年。香取慎吾が再び母親姿で登場するファミリーマート「お母さん食堂」のCMは、お茶の間を温かな雰囲気で包む。2018年から同社のCMに出演する香取だが、そのキャラクターに一貫性はない。あえて統一感を排した演出の意図を、同CMシリーズのプランナー・権八成裕氏に聞いた。
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第18回2019.11.08マツコで宅急便の“不満”をあえて際立たせたヤマト運輸の狙い宅配にまつわるユーザーの不満を解消する便利機能を訴求するヤマト運輸「クロネコメンバーズ」のCM。登録者数3000万人で知名度は抜群だが、肝心の機能を活用しているユーザーが少ないのが悩みの種。課題解決に一役買ったのが全層から支持の高いマツコ・デラックスだ。
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第17回2019.10.25清原翔のつぶやきに悶々、視聴者を「?」で印象づけた日経電子版日本経済新聞電子版は2019年1月から清原翔を起用した新CMで、社会の変化を表す象徴的なエピソードを描いている。何気ない日常のワンシーンの裏に潜む「経済」を、親しみやすく伝えるためあえて“種明かし”はせず、「見えてきた?」と謎を残し、視聴者の知的好奇心を呼び覚ます。
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第16回2019.10.04石田ゆり子の相手は? 年の差夫婦描いたパナソニックリフォーム妻・石田ゆり子、夫・ムロツヨシ。異色のカップルが最新機能でよみがえった家で、快適な暮らしを送る。2019年で3年目を迎えるパナソニックリフォームのCMは、家電メーカーのイメージが強すぎて認知されにくかったリフォーム事業への注目度を、大きく向上させた。
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第15回2019.09.06高畑充希の食べっぷりで、普段も行きたいを想起させた日本KFC業績の足踏み状態が続いていた日本ケンタッキー・フライド・チキン(KFC)。だがCMキャラクターに高畑充希を起用したのをきっかけに上昇に転じ、終わってみれば対前年約105%の売り上げを達成した。普段でも「KFCへ行こう」というメッセージを、ユーザー目線で訴えたのが奏功した。
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第14回2019.08.02土屋太鳳と渡辺直美だから成立した「い・ろ・は・す」の新CM発売10周年を迎える日本コカ・コーラのミネラルウオーター「い・ろ・は・す」は、2019年3月に土屋太鳳と渡辺直美を新キャラクターに起用し、CMを刷新した。全国7つの採水地の天然水やフルーツフレーバーでブランディングを強化する一方、い・ろ・は・すならではの身近さや楽しさの訴求にも踏み込んだ。
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第13回2019.07.26満島ひかりに堤真一、「一番搾り」は6人起用で“キャラ”を消す満島ひかり、石田ゆり子、堤真一、鈴木亮平が食事との相性の良さをアピールするキリン「一番搾り」のCMに、2019年5月から濱田岳と足立梨花が加わった。6人起用の背景にはあえて各タレントの“キャラクター色”を薄め、ビールや料理のおいしさと、それがもたらす幸福感を際立たせる狙いがある。
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第12回2019.07.19広瀬すず、高校生にドギマギ SHISHAMOと全力合「爽」応募で選ばれた1000人の10代と全力で「OH~」と熱唱する広瀬すずとSHISHAMO。ロッテのラクトアイス「爽」のCMは、若者のあふれる熱さが充満している。CM戦略の転換で巻き返した爽の次なる一手は「青春時代への共感」。広瀬とSHISHAMOにCMへの“熱い”思いを聞いた。
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第11回2019.07.12長澤まさみで強まる結束、経営統合の出光昭和シェルが見せた本気出光興産と昭和シェル石油は2019年4月1日の経営統合で出光昭和シェルに生まれ変わった。認知度の高い両社の企業CMに、これまでタレントが出演したことはなかった。それ故、長澤まさみを起用したCMは視聴者のみならず従業員にも強いインパクトを与え、統合新会社の周知に貢献した。
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第10回2019.07.05蛯原友里の再登板で“絶対王者”の悩みを克服したい「アネッサ」2017年からキャラクターを務める森星に加え、10年ぶりに母の姿で登場した蛯原友里と新たに現役女子高生の八木莉可子を起用した、資生堂の日焼け止めブランド「アネッサ」の新CM。世代の異なる3人をそろえた裏に、18年連続シェア1位を守り続けてきた“絶対王者”ならではの悩みがあった。
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第9回2019.06.28まだ見たことのない新垣結衣で 大勝負に出たGMOクリック証券“ガッキー”の美しさが強く印象に残る、まるで新垣結衣のプロモーションビデオのようなCMで、GMOクリック証券は「広告をしない究極の広告」という大勝負に出た。「人生で大切なこと」をテーマに、4年以上もの間“新垣の世界”を発信し続ける同社の狙いは、ブランドのメジャー化だった。