語り尽くせないキウイの魅力

 「キャラクターが決定するまで、世界中のさまざまなキャラクターを比較検討した。最終的にはおいしさが伝わりやすいか、特に立体のアニメーションにして動きが出てきたときに、うまくメッセージを伝えられるかを重視して決めた」と猪股氏。

 キャラクターは決まったものの、すぐ順風満帆とはいかなかった。ゼスプリグローバルチームに広告戦略の変更を報告した際、これまでのCM方針を変える必要性をなかなか納得してもらえなかったのだ。説得に時間を要したが、16年に初めて放送した「キウイはビタミンだけじゃない」篇が大きな反響を呼んだ。ただ、キャラクターとブランドとの関連性に対する認知が弱かった。そこで17年はゼスプリシールを中心に訴求。18年はよりおいしく食べてもらえるよう追熟によるおいしさを伝え、19年は自分の好きな果物を食べるときの気持ちの高揚感を「アゲリシャス」という造語で表現した。

17年「『甘さも、栄養も、たっぷり!』ゼスプリのシールは」篇でキャラクターとブランドとの関連性を強くアピール
17年「『甘さも、栄養も、たっぷり!』ゼスプリのシールは」篇でキャラクターとブランドとの関連性を強くアピール
18年「酸っぱくない」篇では、酸っぱくないことを泣いて訴えるブラザーズ。その涙(果汁)の甘さに先輩フルーツたちが驚く
18年「酸っぱくない」篇では、酸っぱくないことを泣いて訴えるブラザーズ。その涙(果汁)の甘さに先輩フルーツたちが驚く

 キウイブラザーズを起用して以降、売り上げは右肩上がり。15年の年間輸入量は2080万トレー(7.3万トン)だったが、20年には3000万トレーに達する勢いだ。「以前は日本で2000万トレーに到達できればと話していたが、飛躍的に伸びた」と、猪股氏もキウイブラザーズの販促効果に驚く。そして今では韓国、ベトナム、イタリア、オランダ、ドイツ、ベルギー、フランス、スペインでも公式キャラクターとして活躍している。

 日本でも宮崎県などで契約農家によるゼスプリキウイの栽培が少しずつ広がっている。輸入と合わせて潤沢に通年販売ができる規模に育てるには、10年ほどかかると猪股氏は見ている。「(契約農家を)これからどんどん増やしていきたい。そのためには、キャラクターを飽きさせないようにするのが課題。ブラッシュアップを重ねて新鮮さを失わないようにしたい。目指すはミッキーマウス」と言い放つ猪股氏。世界屈指のキャラクターを引き合いに出されては、“キウイ兄弟”のプレッシャーも相当なものだろう。しかし、それをはねのけ負けじと努力する二人の姿を、なぜか無性に見てみたくなる。

19年は「みんなでアゲリシャス」篇で、キウイフルーツを食べることで日常の小さな喜びを感じるシーンをアゲリシャスという造語で訴求
19年は「みんなでアゲリシャス」篇で、キウイフルーツを食べることで日常の小さな喜びを感じるシーンをアゲリシャスという造語で訴求

(写真提供/ゼスプリ インターナショナル ジャパン)