2001年に誕生したキリンビールのチューハイ「氷結」の新CMキャラクターは、山本美月と竹内涼真の2人。また新発売の「氷結無糖レモン」は高橋一生がキャラクターを務める。発売以降、年々ユーザーの裾野が広がる缶チューハイ市場の実情に合わせ、幅広い層に改めてブランドイメージを印象づける。

キリンビール「氷結」の新CMキャラクターに起用された山本美月(写真右)と竹内涼真(同左)
キリンビール「氷結」の新CMキャラクターに起用された山本美月(写真右)と竹内涼真(同左)
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今回のキャラクター:山本美月、竹内涼真、高橋一生
■企業:キリンビール
■商品:氷結

<クリエイターズファイル>
■クリエイティブ・ディレクター:篠原誠
■コピーライター:鈴木晋太郎
■企画:鈴木晋太郎、阿南文
■アートディレクター:八木秀人
■プロデューサー:城殿裕樹、大橋浩明
■撮影:正田真弘
■広告代理店:電通

RTD戦国時代に重要なマス広告

 真っ白なシャツを着た山本美月と竹内涼真が青空と海をバックに、リニューアルした「氷結」を飲み、爽快さを感じながらリフレッシュする様子を描くキリンビール「氷結」の新CM。“スッキリ爽やかなおいしさ”を進化させた新しい「氷結」を感じられるよう、「気持ちいいほど、スッキリおいしい!」というキャッチコピーとともに、青空と海で爽快感を表現している。

 2001年に「氷結果汁」として発売された氷結は、当時あまり選択肢のなかった缶チューハイ市場にインパクトを与えた。その頃は焼酎ベースのチューハイが中心で、ウオッカをベースとしたフルーツカクテルの人気はあまり高くなかった。だが、氷結はストレート果汁を加熱せず凍結させて使用した果汁感と、すっきりとした純度の高い炭酸やクリアなウオッカとの組み合わせで、「スッキリ爽やかなおいしさ」を前面にアピール。東京スカパラダイスオーケストラが田島貴男をゲストボーカルに迎えてヒットした楽曲をBGMに採用した勢いのあるCMの効果もあり、発売半年で611万ケース(250ミリリットル缶換算)を売り上げた。

 その後、競合からも続々と缶入りチューハイが投入され、約20年たった現在に至るまで、その市場は拡大し続けている。競争により製品の洗練化や多様化も進み、とりわけ昨今は経済状況の悪化に伴って低価格でおいしいRTD (Ready to Drink、栓やプルタブを開けてそのまま飲めるアルコール飲料)に他のカテゴリーから流入する消費者も増えている。20年10月以降の酒税法改正の影響を受けないこともあり、その勢いはますます強まると各社は捉え、“RTD戦国時代”の激化が予想されている。

 発売後不動の地位を築き、右肩上がりで成長を続けてきた氷結も、スタンダードラインに加えて「旅する氷結」ラインで様々なフレーバーを期間限定で発売。さらに「氷結ZERO」でゼロ系を、「氷結STRONG」でストロング系など、ユーザーの嗜好や関心に合わせて新製品を投入してきた。

 広告戦略でも市場拡大の流れの中で変化があった。直近では波瑠や柳楽優弥を起用することで「ワクワク感」を押し出し、エントリー層へのアピールに注力した。しかし、実際のユーザー層は特定の世代に限らず幅広いため、その実情に合わせたブランディングに転換することにした。

 「(RTD人気は)経済状況の悪化も要因としてはあるが、発売当時に氷結の飲用体験をした人が今も選び続けてくれている。一時は競合が若い人向けのブランドを展開し、氷結も若い人へのアピールに舵(かじ)を切ったが、どんどん新製品が増えるRTDカテゴリーで、幅広い層に『今日、氷結を買ってみようかな』と思ってもらえることが重要だと考えた」と、キリンビールのCM担当者は話す。

 幅広いユーザー層に対し、山本と竹内の2人で伝えたいメッセージとは何なのか。

新しい「キリン 氷結」CM。BGMは東京スカパラダイスオーケストラ「風のプロフィール」

原点回帰でブランドイメージ訴求

 「氷結といえば“スッキリ爽やかなおいしさ”。このブランドイメージを核としてロングセラーにあぐらをかくことなくリニューアルを繰り返してきた。競争が激化する今だからこそ原点回帰が大切だと考え、爽やかさとメジャー感のある山本さんと竹内さんを起用した」(キリンビール担当者)と、2人を選んだ理由を明かす。

10月2日に生配信された「NEW氷結オンライン飲み会」に参加した山本美月
10月2日に生配信された「NEW氷結オンライン飲み会」に参加した山本美月
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オンライン飲み会に参加した竹内涼真
オンライン飲み会に参加した竹内涼真
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 RTDユーザーの特徴に「ロイヤル化しにくい」という点が挙げられる。だが、氷結はブランドイメージからぶれない製品開発を続け、多くのロイヤルユーザーを抱えているという。「『結局飲みたくなる』おいしさに信頼を置いてもらっている。奇をてらうより、根付いている信頼を守りつつ、今後も新しい挑戦を続ける」(キリンビール担当者)。

 20年10月20日には、初めての無糖のレモンチューハイ「氷結無糖 レモン」を発売した。「RTD市場において14年からの5年間で年平均約1割伸長するなど、RTDカテゴリーの拡大をけん引しているレモンフレーバー」(インテージSRI拡大推計)だが、キリンビールによると「ユーザーが望んでいたけれど今までなかった」のが、甘すぎず果実味があり、食事とも合うレモンチューハイだという。

 そこで糖類・甘味料を一切使わずレモンの爽快さを感じられる新しいレモンチューハイを開発した。「甘くなくかつ果実味が感じられる味に仕上げるのは技術的に難しいが、氷結はこれまでの長年の積み重ねから見いだした」。アルコール度数は4%と7%の2種類で展開し、多様化する需要に応える。

 新しい氷結無糖 レモンはキャラクターに高橋一生を起用して、山本と竹内がメッセンジャーを務めるスタンダードとはすみ分けを図る。

「氷結無糖 レモン」は高橋一生を起用し、新規性を伝える
「氷結無糖 レモン」は高橋一生を起用し、新規性を伝える
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(写真提供/キリンビール)