矢沢永吉の起用で「個性がない」からの脱却

 日産のアンバサダーといえば15年に就任した矢沢永吉のイメージを強く持つ読者も多いだろう。矢沢の武骨さがインパクトを与えメインユーザー層に刺さった。矢沢を起用したキャンペーンをどう捉えているのだろうか?

堤氏 実はそれまではブランドとして統一したブランド訴求はそれほど行っていなかったこともあり、日産のイメージは一言でいえばfaceless、つまり個性がない、という状況でした。

CMの中で木村が運転した往年の名車「フェアレディ240ZG」
CMの中で木村が運転した往年の名車「フェアレディ240ZG」

 ノンオーナーにブランドイメージを尋ねても車種の名前はおろか、具体的なイメージさえ浮かばない、ということもありました。しかし、矢沢さんを起用したキャンペーンを展開し、「やっちゃえ」という言葉をブランド広告から車種広告に至るまで一貫した訴求を行うことを通して、日産が先進技術で新しいことにチャレンジする会社というイメージは形成され、電気自動車といえば日産、自動運転といえば日産というイメージは形成されてきました。

日産日本マーケティング本部副本部長の堤雅夫氏
日産日本マーケティング本部副本部長の堤雅夫氏

 イメージ形成の次の課題はユーザーの若返りと女性の支持を増やすこと。そこで選んだのが木村だった。数年前までトヨタのアンバサダーを務めていた木村に、あえて決めた理由は何なのか。