国民的な知名度とリアリティー

 「大きく売り上げを伸ばし、国民的ともいえるほど飲んでいただいている金麦のメッセンジャーにも“国民的な存在”であることを求めた。石原さんは幅広い層から愛されている。普段から料理をすることやお酒が好きなことを公言されており、食事と共に楽しんでもらいたい金麦のブランド価値と非常に親和性が高かった。CMでもとてもおいしそうに飲んでいただいた」と、中村氏は石原自身の生活スタイルとブランドとの相性の良さが起用の決め手だったと話す。

 CMの内容も自然体であることにこだわったため、ドキュメンタリータッチに撮影の舞台裏を撮影するという演出にした。CM内で石原に企画説明をしたり演技指導をしたりするディレクターを演じる冨永昌敬氏は、本業の監督で石原とも他の現場で一緒に仕事をしたことがあるという。リアルなコミュニケーションを演出するため、配役にリアルな人間関係を採用する徹底ぶりだ。

以前に仕事をしたことがある冨永昌敬氏(左に座る帽子の男性)との共演でリアルなコミュニケーションを演出
以前に仕事をしたことがある冨永昌敬氏(左に座る帽子の男性)との共演でリアルなコミュニケーションを演出

 石原も撮影に積極的だという。自ら工場見学を申し出て、「(リニューアル後の商品に使用している)贅沢麦芽ってどういうこと?」など醸造家に質問したという。中村氏は石原の姿勢について、「売り上げNO.1に加えて、四季によってほんの少し味わいが変わる商品だということなど20年も伝えたいことは多いが、自然と好奇心をもって向き合ってくれている」と心強さを語る。

 新しくブランドの顔となった石原の新CMの反響はかなり大きいという。「SNSでも金麦が新しくなったという声が多く、狙い通りのメッセージが届けられている。社内でもユーザー同様、フレッシュな勢いが感じられると評判が良い」と中村氏は手応えを感じている。

自ら工場見学を申し出るなど積極的に撮影に挑んでいる石原。新メッセンジャーとしての気合も十分だ
自ら工場見学を申し出るなど積極的に撮影に挑んでいる石原。新メッセンジャーとしての気合も十分だ