宅配にまつわるユーザーの不満を解消する便利機能を訴求するヤマト運輸「クロネコメンバーズ」のCM。登録者数3000万人で知名度は抜群だが、肝心の機能を活用しているユーザーが少ないのが悩みの種。課題解決に一役買ったのが全層から支持の高いマツコ・デラックスだ。

2019年9月10日に放映がスタートした「宅急便は、スマホで送れる。」編では、宅急便の発送手続きがスマホで完結するサービスがコンビニでも始まったことを訴求
2019年9月10日に放映がスタートした「宅急便は、スマホで送れる。」編では、宅急便の発送手続きがスマホで完結するサービスがコンビニでも始まったことを訴求
今回のキャラクター:マツコ・デラックス
■製品:クロネコメンバーズ
■企業:ヤマト運輸

<クリエイターズファイル>
■エグゼクティブ・クリエイティブディレクター:石田茂富
■クリエイティブディレクター:石附久実
■プランナー:大戸貴博
■コピーライター:上田太規
■アートディレクター:井本善之
■チーフ・プロデューサー:久野雅代
■プロデューサー:藤岡将史、宮本理香
■演出:牧鉄馬
■撮影:内田将二
■広告代理店:電通

スマホで何でも済んじゃう時代なのに……

 今の時代、スマホで何でも済んじゃうっていうのに、どうして宅急便の送り状は手書きなの? ――大きくため息をつき、胸中で愚痴を言いながらコンビニで発送伝票を記入するマツコ・デラックス。そこに後からやって来た若い男性がバーコードの表示されたスマホ画面を店員に見せると、店員が「オンライン決済ですね」とスムーズに手続きを済ませる。

 ヤマト運輸の会員制サービス・クロネコメンバーズのCMは、宅急便にまつわる“あるある”ネタをちりばめている。面倒な不在票からの再配達依頼、すっぴんの時に限って荷物が届く、トイレに座った瞬間に宅配便のチャイムが鳴るなど、CM中のマツコの嘆きに大きくうなずく人も多いだろう。

 こうした宅急便の“問題解決”に一役買うのがクロネコメンバーズの機能だ。宅配日時を事前に通知したり、WebやLINEで日時や受取場所を変更できたり、受け取りやすい曜日や時間・場所をあらかじめ指定できたり(マイカレンダー)、そして冒頭のようにスマホで決済できたりと、まさに「スマホで何でも済んじゃう」便利サービスである。

 1976年にCtoC向けを中心として宅配便事業を開始したヤマト運輸だが、徐々にBtoB需要が増え、サイズや商品を多様化するなどニーズの変化に応えてきた。その中でクロネコメンバーズを開始した背景には2つの理由がある。

 1つはフリマサイトの台頭で、宅配便を利用する若いユーザーが急増したこと。若者が自分で荷物を受け取ったり、送ったりする機会が増えた。その結果、電話をかけて再配達や集荷を依頼したり、営業所に持ち込んだりといった手間がサービスへの満足度を低下させていることが分かった。そこで“デジタルネーティブ”の若年層が利用しやすいようLINEを利用し、受け取りや集荷の手間を簡便化した。

 もう1つが社会問題化したドライバー不足だ。確実に受け取りができる日時や場所を指定可能になれば、ドライバー側も配達時不在によるロスを減らせる。

「PUDO ステーション トイレ」編。クロネコメンバーズなら家で待たなくても、近くの PUDO ステーションで受け取れることをアピールする
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