自己投影しやすい存在で主張より共感を狙う

 「清原さんはターゲットと年代が近く、ゼクシィ(リクルート)やNONIO(ライオン)などのCMで爽やかなイメージがある。男性ファッション誌『メンズノンノ』でのキャリアも長く、男女を問わず若いビジネスパーソンが身近に感じやすい。さらにキャラクターが強すぎないため、視聴者が自己投影しやすく共感してもらえる人物としてぴったりだった」と柳原氏。

 清原のキャラクター設定は、社会人2~3年目のリアルな会社員。等身大のイメージを表現するため、セリフやキャッチコピーからは「ですます」を省き、今どきのターゲット層が実際に使っている言葉や話し方を選んだ。

 清原の隣にいる“日経電子版を読んでいない”同僚や彼女は、目の前で起きていることの背景を理解できない。一方の清原は「なるほどね」のつぶやき一つで、「日経電子版の読者には何かが見えているらしい」ことが伝わる対比構造にした。ウェブで見られる長編では、同僚や彼女の心の焦りの声が描かれており、より「日経読まなきゃ」と駆り立てられる演出になっている。

 「日経電子版のCMといえば、使い勝手など機能面をクローズアップしがちだが、今回は“なぜ日経なのか”という、よりコアな価値を伝えているため、電子版だけでなく日経本紙でも通用するメッセージになっている」(片岡氏)

 清原に関しては、新CM放映後の19年4月にNHK朝ドラ『なつぞら』への出演で一気に注目度が上がった。日経にも「あの俳優は誰か」の問い合わせが殺到し、週によっては問い合わせ件数のトップになったことも。ちなみに「CMの起用を決めた時点では、清原さんの朝ドラ出演は全く知らなかった」(柳原氏)とのこと。幸運だった。

 現在、日経のウェブサイトの「よくあるご質問」には、「2019年1月にスタートした日経電子版のCMに出演している役者の氏名が知りたい」という項目が用意されている。答えとして記されたその名に、今では驚く人もほとんどいないだろう。

 「主演の男優は清原翔さんです」

上半期人気1位の「見えてきた?フリマアプリ篇」
上半期人気1位の「見えてきた?フリマアプリ篇」

清原翔さん一問一答

ドラマと商品の魅力を伝えるCMとでは、演技や意識がどう違いますか。心掛けていることを教えてください。

清原翔氏(以下、清原氏) CMはドラマや映画と比べて時間が短いので、とにかく瞬間瞬間の集中力というか、伝えたいこと、見せたいこと、というのはよく考えます。だから面白いな、とも思います。とにかく一瞬でもそのCMに合った良い部分を表現できたら、と心掛けています。

さまざまな社会の変化を短い時間で表現する(写真は「見えてきた?グローバル労働力篇」)
さまざまな社会の変化を短い時間で表現する(写真は「見えてきた?グローバル労働力篇」)

視聴者からの期待されるポイントなどもドラマや映画とは違うかと思いますが、その点に対してどのような意識をお持ちでしょうか。

清原氏 重複してしまいますが、CMはドラマや映画と比べて時間が短いので、伝えたいこと、見せたいことを意識しています。

日経電子版のCM撮影で特に留意した点を教えてください。

清原氏 日経電子版の今回のCMは、日常で起こっている何でもなさそうなコトが社会の流れなど、色々見えてくる、というものだったので、とにかく日常っぽく、そして僕の演じた役だけは"見えている"ので、見えたことで他の人より深く理解できて、充実している感を出せたらなと。

撮影で苦労された点や印象に残っていることがあれば教えてください。

清原氏 "なるほどね"の一言でたくさんのレパートリーを表現するのは難しかったです。

“なるほどね”の一言で日経電子版を読むメリットを伝える
“なるほどね”の一言で日経電子版を読むメリットを伝える

日本経済新聞社、また日経電子版に対してどのようなイメージを持っていますか。

清原氏 日経電子版は僕みたいな新聞に慣れていない人でもスマホで読めて、読みやすいので手軽さもあって、情報量も豊富にある印象です。

(写真提供/日本経済新聞社)