高畑のおいしそうに食べる姿が決め手

 中嶋氏は高畑の起用理由について、「ユーザー目線でおいしさを伝えてもらえる人を条件に選定した。高畑さんはキャラクターが強すぎず、どんな役でも演じ切られている。気取らず“Girl next door(隣に住んでいる女の子)”のイメージで、等身大の若いユーザーの代表になってもらうのにピッタリだった。特にいろいろな作品の食事シーンで、とてもおいしそうに食べている姿が印象的だった」と、高畑の柔軟な演技力と気取らない魅力、何よりおいしそうに食べる姿が決め手だったと語る。

 現在のところこのCMシリーズは19本あり、高畑はどれもひたすらおいしそうにチキンを食べ、ストレートにおいしさを訴える。さらにロゴや音楽も統一し、パターンを決める(フレーム化する)ことで、メッセージが浸透しやすい仕掛けを作った。「繰り返して同じ音楽、キャッチフレーズを伝えることで、ボディーブローのようにじわじわと認知が広まっていった」と、中嶋氏は高畑出演のCMから新たに取り入れたフレーム化に手応えを感じている。

 同一フレームの採用は、ターゲット別にさまざまなシーンを描いてもブランドイメージがぶれないという利点がある。その効果を生かし、ドライブや花火などのシーンではこれまで同様、ファミリー層を含めたグループでの利用を訴える。さらに今回は、高畑が店内や家で1人でチキンを食べるシーンを増やし、1人利用に対する気づきを与えようとした。高畑を起用したCM放映後は、SNS上で「今日、ケンタッキーにしない?」と言いながら、平日にケンタッキーのチキンを食べる様子を投稿する人が格段に増えたという。「日常使い」をアピールしたい同社の戦略は見事にはまった。

19年1月に放映した期間限定商品「辛口ハニーチキン」のCM
19年1月に放映した期間限定商品「辛口ハニーチキン」のCM

 KFCの主力商品「オリジナルチキン」をはじめ、原料の鶏はすべて契約農家で飼育し、飼料も指定するなど徹底した品質管理を行っている。おいしさと安全性も強く訴えるため、独自の認定資格「チキンスペシャリスト」を取得した調理責任者もCMに起用した。

「1000円パック『チキンスペシャリスト 生のお肉』編」では、国内産100%をアピールする
「1000円パック『チキンスペシャリスト 生のお肉』編」では、国内産100%をアピールする

 1939年にカーネル・サンダースが開発した秘伝のスパイスを忠実に守り続けてきた日本KFCは、2020年に創業50周年を迎える。グローバルタグラインは「it's finger lickin’ good(スパイスが付いた指までなめたくなるほどやみつきになるおいしさ)」だ。CMで見せた高畑の親近感あふれる食べっぷりがそれを体現したからこそ、何の変哲もない日常に、KFCへ足を運ぶ人が増えたのだろう。

なつかしCMギャラリー

18年6月に放映された「創業記念パック『高畑さん登場』編」から高畑の出演がスタート
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「創業記念パック『高畑さん登場』編」にはグローバルタグライン「it's finger lickin’ good」の表示も
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18年7月の「レッドホットチキン『セッティング』編」は汗をかきながら辛口チキンをほおばる
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(写真提供/日本KFC)