爽やかさと明るさが広瀬起用の決め手

 「広瀬さんは国民的に愛されている爽やかな女優で、ブランドの明るく、楽しく、爽やかな世界観ととてもマッチする」と、川崎氏は広瀬の起用理由をこう説明する。

 路線変更をした16年のCMはスマホの着信を無視したかと思えば突然叫び「考えるのや~めた」という内容で、「少し小難しい概念的なコミュニケーションになってしまった。その反省から17年は『NO THINK』の気持ちよさを明るく元気なアクティブなトーンで表現し、行動喚起を図ろうということで、広瀬さんを起用した。描きたかったCMのイメージにもぴったりだった」(ロッテ)。これまでも同社の「フィッツ」や「ガーナチョコレート」など複数ブランドのCMに出演してきた広瀬。爽では特に商品特徴に合致する爽やかさや明るさが決め手となった。

爽やかさや明るさが決め手に
爽やかさや明るさが決め手に

 働き方改革など新たな潮目が表れた19年には、さらに戦略を見直し『全力って爽ハッピー』というコピーに変更した。そのタイミングのSHISHAMOの起用については、「いろいろなアーティストの中でも爽の世界観に非常にマッチする。若年層、特にティーンに人気があり、実力もある。19年は『君の隣にいたいから』がNHK全国学校コンクールの中学生の部の課題曲に選ばれ、さらに注目度は上がるだろう」(川崎氏)と、爽のメインターゲットと合致することが大きな理由だ。

 「合爽部」に選ばれた1000人はTwitterとTikTokを通じて募集した。「熱意のある動画やメッセージ」が応募条件で、「部活をがんばれなかった自分が悔しいから今回の場でぶつけたい」などアツいメッセージが全国から届いた。抽選が困難なほどの応募数だったが、アツさが際立った1000人を選んだ。

 当日の熱気は出演者をも圧倒するほどだった。広瀬は「1000人が全力で声を上げて歌ってくれた。そのエネルギー、パワーはすごく、みんなの全力の思いを受け止めながら自分たちも全力で伝えた。リアルな空気感をそのまま撮ってもらったので、ミュージックビデオのような新鮮さ。新感覚の撮影だった」と振り返る。

ライブのような臨場感をそのままCMに
ライブのような臨場感をそのままCMに
10代の熱い思いは出演者を圧倒するほどだった
10代の熱い思いは出演者を圧倒するほどだった

 ティーンばかりが目立つCMだが、若年層だけを狙ったわけではない。川崎氏は「10代の熱い映像は大人も共感できる。『こういう青春時代もあったな』と共感してもらえるよう、CM放映直後の1週間は大きな交通広告も張り出した」。青春時代の懐かしい思いを呼び覚まし、幅広い層にブランド訴求を図る目的があったという。

歌が始まる前に念入りに発声練習をして一体感を高めた
歌が始まる前に念入りに発声練習をして一体感を高めた