バッチリメークで当時を演出

 新CM以前の最後のじゃがりこCMにも起用していた川口は95年生まれで、じゃがりこと同い年。「強い縁を感じた」という野堀氏は、迷わず川口を新CMに再登板させた。「8年前はまだ初々しかった川口さんが、どういう表情を見せてくれるかという期待もあった」(野堀氏)。

「じゃがりこリズムにのって」編では、爽やかにリズムに乗ってじゃがりこを食べた川口
「じゃがりこリズムにのって」編では、爽やかにリズムに乗ってじゃがりこを食べた川口

 当時は制服姿で爽やかに登場していたのに比べ、新CMでの川口のメークはやや濃い。CMを見てその真っ赤な唇に注目する人も多かったという。野堀氏はその狙いを「(初代キャラクターの)角田真貴さん版は今見ると少しトーンが暗い。そこに合わせるように照明を落としつつ、でも暗くなり過ぎないよう顔が映えるようにメークをはっきりとした」と説明する。

制服姿でじやがりこをかじる川口
制服姿でじやがりこをかじる川口

 第1作へのこだわりは音にも表れている。角田版の初代CMでは、じゃがりこをかじる音は後から動きに合わせて録音した。川口はその角田が録音した音に合わせ、現場でじゃがりこを食べなければならなかった。微妙なタイミングのズレに、OKが出るまで40テイクほどかかったという。「この食べ方こそがじゃがりこの資産。今の女子高生は知らないだろうから、今回のCMを見てまねしてほしい」(野堀氏)。

 ナレーションは現代風にアレンジを加えた。『ジョジョの奇妙な冒険』『涼宮ハルヒの憂鬱』などのヒットアニメ作品で知られる人気声優の杉田智和氏を起用したところ、ツイッターを中心に大きな話題となった。

 発売当時、女子高生だった主婦層からは「懐かしい」という反応が多く寄せられたという。「財布を握る主婦層へはデジタル展開だけでは届かない。テレビCMだからこそ注目してもらえた」と野堀氏は手応えを語る。

 4月の令和キャンペーンのあと、5月は一切放送せず6月に再開した新じゃがりこCM。今後の放映のタイミングについて野堀氏は、「マーケティング戦略と連動してタイミングを決める。同じフレームで新しい情報を入れていく」と、戦略的にスポッティングする姿勢を貫く考えだ。

 改元という大きな機会を逃さず定番ブランドのCMを決行し、リメークという手法で“認知度100%”の商品を再び盛り上げることに成功したカルビー。今後も会社を代表し続けるであろうロングセラー商品ゆえ、「平成の角田版」「令和の川口版」そして次は……と勝手な想像をめぐらせてみたくもなる。

初代キャラクターは角田真貴が務めた
初代キャラクターは角田真貴が務めた

初代CMの音に合わせてかじり続ける

「あのCMを再び」編
「あのCMを再び」編

 「あのCMを再び」編では、初代CMをほぼ完全に復刻し、インパクトと懐かしさをアピール。冒頭で2回カリカリっと食べてカルビーが70周年を迎えたことを伝え、本編に移行。初代キャラクターの角田が吹き込んだ音に合わせ、カメラ目線で川口がじゃがりこを2本食べる。最後は笑顔で「ずっと、好き。」とロングセラーであることも強調。「じゃがりこ」の声は、人気声優の杉田智和が担当した。

(写真提供/カルビー)