従来、ゲーム関連企業が中心だったeスポーツ大会の運営に、今、異業種からの参入が始まっている。先行するのがJリーグだ。「eJ.LEAGUE」を掲げ、2つのサッカーゲームの大会を主催する。リアルスポーツのリーグがなぜeスポーツなのか。担当するJリーグマーケティングの窪田慎二社長に聞いた。

eJ.LEAGUEを手掛けるJリーグマーケティングの窪田慎二社長
eJ.LEAGUEを手掛けるJリーグマーケティングの窪田慎二社長

 日本プロサッカーリーグ(Jリーグ)がeスポーツに本格参入したのは2018年3月。エレクトロニック・アーツ(EA)のPlayStation 4向けサッカーゲーム『FIFA 18』の大会「明治安田生命eJ.LEAGUE」を開催した。Jリーグと同じく、冠スポンサーは明治安田生命保険が務め、決勝ラウンドは英パフォーム・グループのスポーツ専門ストリーミングサービス「DAZN(ダゾーン)」がライブ配信した。

18年に開催した「明治安田生命eJ.LEAGUE」。サッカーゲーム『FIFA18』に搭載されているJ1クラブのうち、18年シーズンにJ1に所属している15クラブの選手がトーナメント形式で戦った
18年に開催した「明治安田生命eJ.LEAGUE」。サッカーゲーム『FIFA18』に搭載されているJ1クラブのうち、18年シーズンにJ1に所属している15クラブの選手がトーナメント形式で戦った

 2年目となる19年は大会を運営するゲームタイトルを1つ増やす。前年に続き、「FIFA」シリーズの最新作『FIFA 19』を使った「FIFA 19 グローバルシリーズ eJ.LEAGUE SAMSUNG SSD CUP」を4月に開催。コナミデジタルエンタテインメントのスマートフォン向けサッカーゲーム『ウイニングイレブン 2019』(ウイイレ2019)を使った「eJリーグ ウイニングイレブン 2019シーズン」(3月に予選開始、7月に本大会開催)も運営する。

19年はコナミデジタルエンタテインメントと共同で「eJリーグ ウイニングイレブン 2019シーズン」を開催。左はJリーグの村井満チェアマン、右はコナミデジタルエンタテインメントの早川英樹社長
19年はコナミデジタルエンタテインメントと共同で「eJリーグ ウイニングイレブン 2019シーズン」を開催。左はJリーグの村井満チェアマン、右はコナミデジタルエンタテインメントの早川英樹社長

 2つの大会は位置づけがやや異なる。FIFA 19の大会は、トップ選手が集まる大会で、優勝者には賞金100万円のほか、国際サッカー連盟(FIFA)が主催する公式eスポーツ大会「FIFA eWorld Cup 2019」の世界予選に出場する資格を得るためのポイントが与えられる。

 一方、ウイイレ2019は、スマホ向けということもあり、初心者から上級者まで参加できることがコンセプト。オンライン予選、クラブ代表選考会を経て、J1・J2の全40クラブがそれぞれ「15歳以下(U15)」「18歳以下(U18)」「全年齢(フル)」3選手を選出し、クラブ対抗戦を行う。ユニークなのは、総額1500万円の賞金が選手にではなくクラブに入ること。この点は、プロクラスを対象とした大会とは一線を画している。

新たなサッカーの楽しみを開拓する

 大会を通じ、Jリーグが試みるのは大きく分けて3つ。1つ目は、若い世代にゲームを通じてサッカーの魅力を伝えることだ。Jリーグは17年からスポーツ専用ライブ配信サービス「DAZN」で試合を配信している。eスポーツもまた、スマホでサッカーを楽しむコンテンツだ。

 2つ目は、新規ビジネスの開拓。Jリーグ所属の中には、既にeスポーツの選手を抱えているクラブもある。Jリーグやクラブにとってサッカーに次ぐビジネスに育つ可能性を秘めている。

 3つ目は会員サービス「JリーグID」との連携。eスポーツを入り口にJリーグIDの活用を模索する。

 これらの取り組みについて、eスポーツ大会の運営を担当するJリーグマーケティングの窪田慎二社長に話を聞いた。

■変更履歴
「eJリーグ ウイニングイレブン 2019シーズン」の本大会は7月開催でした。[2019/4/4 12:30]

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