2019年4月12~14日、大阪の「カンテレ扇町スクエア」1階で、「文具女子博petit大阪」が開催された。その名の通りメーンターゲットは文具好きの女性。74社の文具メーカーが出展し、さまざまな文具を展示・販売した。500円の入場チケットが完売するほどの人気で、3日間で約1万人が来場した。
文具女子博の人気は年々上がっている。初開催は17年12月の東京で、82社の文具メーカーが参加。3日間で2万5000人が来場した。18年12月に、第2回文具女子博を同じく東京で開催。123社の文具メーカーが参加し、来場者数はさらに伸びて、3日間で3万5000人に達した。
大阪では今回が初開催だが、文具女子博としては3回目となる。大阪の会場が東京の4分1程度の広さだったことから、タイトルに「petit」を付けた。第1回目と第2回目は想定を超える来場者数で、会場は大混雑だったため、文具女子博petit大阪ではゆっくり買い物を楽しめるように、1日3回の完全入れ替え制とし、事前にチケットを販売した。
SNSで拡散される文具の楽しみ方
文具女子博が盛況な理由は、大きく2つある。1つ目は、文具好きの20代から40代の女性にターゲットを絞ったことだ。文具好きの女性にターゲットを絞った理由について、文具女子博実行委員会のメンバーで日本出版販売コミュニティデザイン課の浦田瑠衣氏は、「これまで文具は主に男性向けというイメージがあったが、マスキングテープとSNSの流行で文具好きの女性が増えてきた。女性向けの商品を開発する文具メーカーも多い。そうした状況から、近年は女性が文具のブームをつくっているのではないかと考え、思い切って特化することにした」と話す。
マスキングテープの流行は、07年ごろから始まった。カモ井加工紙からカラフルな色や柄入りのマスキングテープ「mt」が発売されたことをきっかけに、さまざまなメーカーが追随。すると、マスキングテープのコレクションや、ノートやカードをかわいくデコレーションした写真を、インスタグラムやツイッターなどにアップする女性が増えてきた。「SNSの流行によって、自分のコレクションやかわいく手書きしている手帳の中身などを見せる“場”ができた。その情報が拡散され、『かわいい』『こんな書き方があるんだ』と女性たちの間で文具の楽しみ方が広がっている」(浦田氏)。
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