リヒトラブの「SMART FIT PuniLabo」スタンドペンケースが売れている。発売は2017年2月だが、17年の売上高は約6億2000万円、18年9月には新柄4種を追加し、年間売上高は約8億6500万円と前年比40%の伸びを示した。勢いはいまだ衰えず、19年3月までで、すでに2億3000万円以上を売り上げている。
SMART FIT PuniLabo(以下、プニラボ)のペンケースは、柔らかいシリコーン素材を使い、動物をかわいらしいキャラクターにアレンジしている。全体は筒状で、底の部分に工夫がある。机の上などに立てて上から押し込むと、底面が内側に引っ込む。底面積が大きくなって立ちやすくなり、内部は上げ底になるので中のペンがせり上がって取り出しやすい。持ち運び用のペンケースと据え置き用のペンスタンドを1つで兼ねた商品だ。
ビジネス向けの商品をリデザイン
実はこの構造を採用したペンケースは同社には以前からあった。「SMART FIT ACTACT」(以下、アクタクト)というシリーズのスタンドペンケースだ。アクタクトのスタンドペンケースを発売したのは16年。この頃から「働き方改革」への関心が高まり、フリーアドレスのオフィスやノマドワーカーなど、決まった机、決まった場所に縛られず、アクティブに活動するワークスタイルが注目されるようになった。
アクタクトはそうしたワーカー向けのカバンやポーチなどの収納用品のシリーズだ。シリコーンという素材は汚れに強く、タフに使える。それがアクティブワーカー向けというコンセプトにもちょうどマッチした。
通常のペンケースは、使うときには横に寝かせて置くため、どうしても場所を取る。しかしアクタクトのペンケースはスタンドとの1台2役で、カフェなどの狭いスペースでも場所を取らず、すぐに仕事場に早変わりさせることができる。そうした機能性が評価され、2016年の「日本文具大賞」機能部門で優秀賞を受賞した。
アクタクトはビジネス向けのシリーズなので、形はシンプルで、色もネイビーやブラックなど、落ち着いたカラーバリエーションを採用していた。しかし「机を広く使いたいというニーズは、何もビジネスパーソンだけに限らないのではないか」と、開発を手掛けたリヒトラブ東京MD部主任、狩山葉子氏は考えた。
さらに、ユーザーからは「立っている姿がかわいいし、底を出し入れする動きもぴょこぴょこしていてかわいい」という声も聞くようになった。しかも、シリコーンは柔らかく手触りの良い素材だ。そこで「動物の形をしたスタンドペンケースという企画を出したところ、採用された」(狩山氏)のだという。
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