リヒトラブの「SMART FIT PuniLabo」スタンドペンケースが売れている。発売は2017年2月だが、17年の売上高は約6億2000万円、18年9月には新柄4種を追加し、年間売上高は約8億6500万円と前年比40%の伸びを示した。勢いはいまだ衰えず、19年3月までで、すでに2億3000万円以上を売り上げている。

「SMART FIT PuniLabo」スタンドペンケース。上段左からクマ、シバイヌ、クロネコ、ハチワレネコ、ブタ、下段左からパンダ(以上が17年2月発売)、ミケネコ、ボストンテリア、セキセイインコ、ペンギン(以上が18年9月発売)。約15本のペンが入り、価格は1400円(税別、以下同)。約22本のペンが入る「BIGサイズ」(1600円)もある
「SMART FIT PuniLabo」スタンドペンケース。上段左からクマ、シバイヌ、クロネコ、ハチワレネコ、ブタ、下段左からパンダ(以上が17年2月発売)、ミケネコ、ボストンテリア、セキセイインコ、ペンギン(以上が18年9月発売)。約15本のペンが入り、価格は1400円(税別、以下同)。約22本のペンが入る「BIGサイズ」(1600円)もある

 SMART FIT PuniLabo(以下、プニラボ)のペンケースは、柔らかいシリコーン素材を使い、動物をかわいらしいキャラクターにアレンジしている。全体は筒状で、底の部分に工夫がある。机の上などに立てて上から押し込むと、底面が内側に引っ込む。底面積が大きくなって立ちやすくなり、内部は上げ底になるので中のペンがせり上がって取り出しやすい。持ち運び用のペンケースと据え置き用のペンスタンドを1つで兼ねた商品だ。

ビジネス向けの商品をリデザイン

机の上などに立てて上から押し込むと、ペンスタンドに早変わり。ペンケースに戻すときは手で底を引っ張り出す。ふたの内側には消しゴムを固定するゴムバンドが付いている
机の上などに立てて上から押し込むと、ペンスタンドに早変わり。ペンケースに戻すときは手で底を引っ張り出す。ふたの内側には消しゴムを固定するゴムバンドが付いている

 実はこの構造を採用したペンケースは同社には以前からあった。「SMART FIT ACTACT」(以下、アクタクト)というシリーズのスタンドペンケースだ。アクタクトのスタンドペンケースを発売したのは16年。この頃から「働き方改革」への関心が高まり、フリーアドレスのオフィスやノマドワーカーなど、決まった机、決まった場所に縛られず、アクティブに活動するワークスタイルが注目されるようになった。

 アクタクトはそうしたワーカー向けのカバンやポーチなどの収納用品のシリーズだ。シリコーンという素材は汚れに強く、タフに使える。それがアクティブワーカー向けというコンセプトにもちょうどマッチした。

前身となった「SMART FIT ACTACT」のスタンドペンケース(1100円)。このシリーズはビジネス向けの商品で、スタンドペンケースとしては他に、平たくてカバンに入れやすい「オーバルタイプ」(1200円)、オーバルタイプLサイズ(1400円)がある
前身となった「SMART FIT ACTACT」のスタンドペンケース(1100円)。このシリーズはビジネス向けの商品で、スタンドペンケースとしては他に、平たくてカバンに入れやすい「オーバルタイプ」(1200円)、オーバルタイプLサイズ(1400円)がある

 通常のペンケースは、使うときには横に寝かせて置くため、どうしても場所を取る。しかしアクタクトのペンケースはスタンドとの1台2役で、カフェなどの狭いスペースでも場所を取らず、すぐに仕事場に早変わりさせることができる。そうした機能性が評価され、2016年の「日本文具大賞」機能部門で優秀賞を受賞した。

 アクタクトはビジネス向けのシリーズなので、形はシンプルで、色もネイビーやブラックなど、落ち着いたカラーバリエーションを採用していた。しかし「机を広く使いたいというニーズは、何もビジネスパーソンだけに限らないのではないか」と、開発を手掛けたリヒトラブ東京MD部主任、狩山葉子氏は考えた。

 さらに、ユーザーからは「立っている姿がかわいいし、底を出し入れする動きもぴょこぴょこしていてかわいい」という声も聞くようになった。しかも、シリコーンは柔らかく手触りの良い素材だ。そこで「動物の形をしたスタンドペンケースという企画を出したところ、採用された」(狩山氏)のだという。

SMART FIT PuniLaboの開発を手掛けたリヒトラブ東京MD部主任、狩山葉子氏
SMART FIT PuniLaboの開発を手掛けたリヒトラブ東京MD部主任、狩山葉子氏

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