企業とファンをつなぐ接点として活用が当たり前になったSNS。SHARPや東急ハンズなど、不動の人気を誇る公式Twitterアカウントだけでなく、急成長を遂げるアカウントも登場している。今回は、健康食品会社のわかさ生活(京都市)と、1805年創業のくず餅の老舗・船橋屋(東京・江東)の「中の人」2人に運用術を聞いた。
コロナ禍でオフラインでのコミュニケーションが制限される中、TwitterをはじめとしたSNSの重要性が高まっている。消費者と日常的にコミュニケーションが取れると、企業も積極的に利用。ファンづくりの起点としての活用も進んでいる。
2019年6月にスタートした本連載では、セガグループや東急ハンズ、キングジムなど、数十万フォロワーを抱える超人気アカウントの日々の試行錯誤や工夫から、SNSの運用術を明らかにしてきた。今回は、急成長中の「わかさ生活」(@WAKASASEIKATSU)と「船橋屋」(@funabashiya_)の2つの気鋭アカウントに迫る。
わかさ生活の「中の人」は何と20年入社の新卒社員だ。同社のオリジナルキャラクター「ブルブルくん」を使ったユーモアあふれる投稿や積極的なファンとのコミュニケーションが話題を集め、1万4000人を超えるフォロワーを集める。一方、船橋屋の「中の人」も入社2年目の若手だ。ファン一人一人との密なコミュニケーションが特徴で、老舗の硬いイメージをゆるめる役割を担い、フォロワーは既に2万6000人を突破している。この2人の若き「中の人」がどのようにファンの心を捉えてきたのか、対談からひもといていく。
自らTwitter担当に志願した2人 そのワケは
入社1年目、2年目という若い2人が、公式Twitterの担当になったのは、どんな経緯からだったのでしょうか。
船橋屋「中の人」 2020年の4月頃、コロナ禍で在宅の方が多い中、久しぶりにプレゼントキャンペーンを企画したらフォロワー数が5000人から急激に増えたんです。もともとSNS運営には力を入れてきましたが、再度社内でTwitterの可能性が注目され始めました。より力を入れてやってみようという流れになったことから、広報担当としてSNS運営に興味を持っていたので「やってみたい」と手を挙げました。
わかさ生活「中の人」 私も自分で手を挙げました。20年4月に入社したのですが、就職活動の面接時から、広報部でTwitterを使って「わかさ生活」の名前を広めたいということを話していたのです。入社後、希望していた広報部に所属できたのですが、当時は別の部署が公式Twitterの運営を行っていて携われませんでした。それが、20年7月に、会社の方針で広報部が運営することになり、志願しました。
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