企業公式Twitterアカウントの「中の人」が運用の秘訣を語る本連載。タニタの第1回では、「中の人」を担当する上で原点になったニコニコ動画公式チャンネル運営の経験について振り返ってもらった。第2回は、「中の人」が選んだ新しい働き方について語る。

今回のポイント
1.新しいことに挑戦してスキルを高めることが不安の解消になる
2.時間配分の裁量を持つことでストレスが減る
3.アニメやゲームコンテンツとのコラボ企画で若者にアプローチ

2019年6月、「私、タニタを退職しました」という突然のツイートが話題になりましたね。私もあのツイートはほぼリアルタイムで見ていて、「ええっ、『外の人』になったの?」と驚きました。

突然の退職報告にフォロワーもびっくり
突然の退職報告にフォロワーもびっくり

簡単に言うと、タニタが社員の独立を支援する仕組みで、個人事業主として新たに業務委託契約を結びます。退職前まで社員として取り組んでいた仕事を「基本業務」としてタニタから委託され、移行時は社員当時の給与・賞与をベースにして報酬が決まります。「日本活性化プロジェクト」と称する取り組みで、これに手を挙げたので、退職してフリーランスになりました。

「日本活性化プロジェクト」が導入された2017年から1期メンバーとして個人事業主になられたのですね。不安はありませんでしたか?

公募が始まって真っ先に手を挙げたというほど即決したわけではないです。「社員じゃなくなるってどういうこと?」と、最初はよく分からなかったですし(笑)、転職の経験もなく、「ゆくゆくは独立」といった計画をそれまで考えたこともなかったですからね。

 ただ、この仕組みの内容と社長の考えを理解するにつれ、興味を持ちました。私自身ちょうど入社して10年目を迎えるタイミングで、次の10年を考えたときに、「もっと成長したい」という意欲と、「これからどうなるか」「このままでいいのか」という漠然とした不安とがありました。新しいことに挑戦するチャンスを得てスキルを高めることが不安の解消になると思いました。

退職に当たり、ご家族の反応は?

最初は反対されました(笑)。やはり不安だったようです。「そのうち切られるんじゃないのか?」と。そこは、正社員だからといって安心・安泰ではないし、そもそも人員削減のための仕組みではないことを説明しました。

 前回お話しした入社1~2年目のニコニコ動画担当時は、社長と机を並べて二人三脚で仕事をしていましたから、人となりもよく理解しているつもりです。その社長が強い思いを持って新しい仕組みに取り組む意向なのであれば、それは賛同してみようと思ったのです。

書籍『タニタの働き方革命』に「中の人」インタビューも
書籍『タニタの働き方革命』に「中の人」インタビューも

実際に個人事業主になられて働き方は変わりましたか?

時間に対して自由になりましたね。時間をコントロールできるので仕事がしやすくなりました。社員時代は朝のほうが仕事がはかどると思って早朝出社していましたが、「早すぎるのも変に思われるかな?」と周りの目が気になったり、多忙な時期で皆残業を頑張っているときに先に引き上げるのはちょっと気が引けたり、ということがありました。今は、土日に少し仕事を回すことで平日にゆとりを持たせるといった時間配分の裁量が持てるので、ストレスが軽減されたように思います。

 あと、健康を気にするようになりました。体が資本ですからね。「ここで一息入れよう」とか、根詰めて頑張ったら「リカバリーのためにマッサージに行こう」とか。健康第一って言いますけれど、健康体であることがまず一番の仕事だなって思います。それを意識することで結果的に健康になりました(笑)

タニタ公式Twitterアカウントの「中の人」業務は社員時代から継続されていますが、Twitter専任ではないんですよね?

はい、2016年からブランド統合本部新事業企画推進部という部署に配属になって独立したので、基本業務はこの新事業企画推進の仕事をしています。一言で言うと新事業を通じてファンを開拓することです。その一環としてTwitterを活用しています。他企業とのコラボレーション商品企画やオンラインショップの売り上げ・利益目標を設定して、その達成度によって翌年の報酬金額を算定、交渉しています。