企業公式Twitterアカウントの「中の人」が運用の秘訣を語る本連載。キングジムの第1回では、“お家芸”のアスキーアートを始めたきっかけについて振り返ってもらった。第2回は、「中の人」に指名された経緯や開設当初の試行錯誤、雑談を大切にしている理由などについて語る。
2.東日本大震災から半年間のコミュニケーションでフォロワーとの距離が縮まった
3.堅い企業イメージや企業と個人の壁は、日々の会話を通じて取り払うことができる
さて、第2回は、キングジム公式Twitterアカウント「中の人」を担当することになった経緯からお聞きします。「キングファイル」や「テプラ」など法人向け商品が主力のキングジムで、デジタルメモ「ポメラ」の成功から消費者向け商品開発が活発化したこと、それがTwitterの普及初期やiPhoneの発売と重なって、アカウント開設に至ったというお話でした。
はい、当時ポメラのユーザーがTwitter上でハッシュタグ「#pomera」を付けて積極的に議論していました。個人的にTwitterを利用していた社長がそれを見つけまして、「ぜひキングジムでも開設してみてはどうか」ということになりました。
2009~10年当時のTwitterは、ポメラのようなデジタル文具に関心の高いガジェット愛好層がいち早く使いこなしていた印象があります。社長からトップダウンの提案、開設指示だったのですね。「中の人」に選ばれた経緯は?
社長からの指名で……
おー!!
指名されたときは自分のアカウントも持っていなくて……。Twitterという名前は聞いたことはあるけれど、使い方もよく知りませんでした。
「個人で使っている若手の誰かに任せよう」じゃなかったのですね。
理由は直接聞いたことはないのですが……。当時、社内広報施策として社員なら誰でもブログを書ける環境がありまして、そこで運用部門としてまず広報部員が積極的に書いていこうということで、私が商品のこと、仕事のこと、仕事とは直接関係ないこともブログに書いていました。それを読んでいたようです。
社内ブログを読んでSNSカルチャーに合うとみたわけですね。
この人選には驚きましたね。個人アカウントも持っていなくて、社長のほうがずっと詳しい状態でのスタートでしたから。「やり方が分からなかったら社長室に聞きに来なよ」と言われていましたが、さすがに基本的なことを社長に教えてもらうわけにはいかないので、自分で覚えました(笑)。
10年2月にアカウント開設。20年2月でちょうど10周年ですね。始められてから今の投稿スタイルに落ち着くまで、試行錯誤はありましたか?
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