企業公式Twitterアカウントの「中の人」が運用の秘訣を語る本連載。東急ハンズ、井村屋、セガグループに続いて登場するのはキングジム。オフィス向けのファイルの他、「テプラ」や「ポメラ」などユニークな文具の開発で知られるキングジムは、公式Twitterアカウントもまたひときわユニーク。その運用の秘訣に迫る。

キングジム公式Twitterのフォロワーは約35万人
キングジム公式Twitterのフォロワーは約35万人
今回のポイント
1.Twitterの投稿画面は文章のみの入力欄にあらず。アスキーアートで表現の幅が広がる
2.世間に身を置き、生活者目線に立った投稿を心がける
3.例えば「今日から消費税率10%」も触れ方次第では政治性を帯びるので注意

「中の人」連載第4弾はキングジム公式Twitterの「中の人」にお話をうかがいます。(2019年)10月に入って消費税率が10%に上がりましたが、早速そのネタでバズらせていましたね。

はい、本人としてもちょっと驚いているんですけれども。こちらのツイートです。

10月1日、この投稿でリツイートが6万件を超えた
10月1日、この投稿でリツイートが6万件を超えた

いいねは19万件を超えていますね。このくらい拡散するのはキングジムさんにとっては「よくあること」ですか?

年に1回あるかないかで多くはありません。2~3万リツイートはまれにありますが、6万件を超えることはめったにないです。

バズるツイートは、投稿前に「これはイケるぞ」と予想しているものですか?

まったくないですね(笑)。こればかりは長く「中の人」を担当していても読めないです。「これはある程度拡散されるだろうな」と見込んで投稿したものがさっぱり響かなかったり、逆にほんの独り言で拡散なんて想像もできなかった内容が広がったり。このツイートは完全に後者です。

駆け込み需要が見込める増税前は高めの値付けをして10月に入った途端値下げする店舗があるに違いないと探して、狙いすましたツイートではなかったと。

通勤の時に会社の外に出て、ふと立ち寄った店舗で見かけた“事実”をそのまま述べただけです。もともと公式Twitterを開設した当初から、商品やサービスの情報だけを発信するのではなく、これはプロフィル欄でも明言していますが、「ささやかな日々のできごとなどをお届け」していくことで気軽に交流できる場を目指しています。

リプライも400件超ついて、とても返しきれない。

消費税は話題としてちょっとセンシティブなところがあって。炎上回避として、政治・宗教・特定のスポーツチームなど、よくいわれる忌避テーマには触れないようにしていますが、消費税も一歩踏み込むと賛否や意見になって一気に政治性を帯びてきます。

年1回あるかどうかの大当たり直後だと、調子に乗って勢いでリプライしてしまいそうですが、そこは冷静ですね。

企業に所属している会社員なので、何かに意見を表明するのではなく、生活者目線で見えてくるものや気づきを大切にしたいですね。企業と社会の両方に身を置いて発信するように心がけています。

この「中の人」連載に登場する企業は各社それぞれ国内有数のユニークなアカウントなのですが、中でもキングジムさんは他社とは一線を画したユニークさがあります。例えば金曜日の定番「きんきんきんようび」など、見た目からして立体的で、スクロールする手が必ず止まります。

楽しげなアスキーアートはキングジムTwitterのお家芸
楽しげなアスキーアートはキングジムTwitterのお家芸

公式Twitterアカウントを始めた2010年当時は、まだ画像付きのツイートができなかったんです。ハッシュタグも日本語対応していなくて半角英字のみだったり。

そうでしたっけ? あっ、「Twitpic」や「yfrog」「ついっぷる」といった画像投稿サービスを画像アップローダーとして使っていたのか。

はい、テキストがメインの世界でした。文字だけで表現していくことに限界を感じていて、そこで上限140文字というスペースを生かして、さまざまな表現ができないかと模索した結果、たどりついたのがアスキーアートでした。

美大か芸術学部かのご出身ですか?

有料会員になると全記事をお読みいただけるのはもちろん
  • ①2000以上の先進事例を探せるデータベース
  • ②未来の出来事を把握し消費を予測「未来消費カレンダー」
  • ③日経トレンディ、日経デザイン最新号もデジタルで読める
  • ④スキルアップに役立つ最新動画セミナー
ほか、使えるサービスが盛りだくさんです。<有料会員の詳細はこちら>