地域活性化を狙ったローカルブランディングに乗り出す自治体が増えているが、失敗することも多い。電通でブランディングに関わる仕事を幅広く手掛けてきた若林宏保氏は、行政上の「地域」ではなく、人々が共通の意味を見いだせる「プレイス」をベースにブランディングをすべきだと説く。

若林氏は「キーマンの発掘と彼らによる自走がブランディング成功のポイント」と言う(写真/丸毛 透)
若林氏は「キーマンの発掘と彼らによる自走がブランディング成功のポイント」と言う(写真/丸毛 透)
若林宏保(わかばやし・ひろやす)氏
電通 クリエーティブ・ディレクター
電通入社以来、ブランディングに関する幅広い仕事に従事。2007年より電通地域ブランドプロジェクト abic(アビック)を推進。主な著書に『地域ブランド・マネジメント』(共著・有斐閣)、『プレイス・ブランディング─地域から“場所”のブランディングへ─』(有斐閣)

ローカルブランディングはなぜ成功しにくいのでしょう?

若林氏 ローカルブランディングには、県や市などの行政と企業、市民などが参加しますが、多くの場合、行政主導です。しかし、行政は動画やポスターを制作するのがメインで、方向性を示すことはあまりありません。そのため、企業や市民はバラバラの方向を向きがちになり、1方向に集約することが難しくなります。それが成功しにくい大きな原因と考えています。

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