ビームスの新規事業「BEAMS JAPAN」の業績が好調だ。ローカルブランドを発掘、支援する事業で、東京・新宿にある店舗はオープン以来、来客数が前年比で5%ずつ増えている。自治体などからの問い合わせも急増中。その仕掛人に狙いを聞いた。

「地域のネットワークを有効活用することで、成果を地元で共有できる」(鈴木氏)
「地域のネットワークを有効活用することで、成果を地元で共有できる」(鈴木氏)
佐野明政(さの・あきまさ)氏(右)
ビームス BEAMS JAPAN プロジェクトリーダー
1973年生まれ、2000年にビームス入社。ショップスタッフを経て、アウトレットや「ビーミング ライフストア」などの立ち上げに従事し、現職。BEAMS JAPANプロジェクトリーダーとして、企業や自治体との企画に取り組む

鈴木修司(すずき・しゅうじ)氏(左)
ビームス BEAMS JAPAN ディレクター/バイヤー
1976年生まれ、三重大学卒業後、ビームスに入社。店舗スタッフ、MD、バイヤーを経て、現職。商品仕入れや企画、企業や自治体との協業案件を担当している

東京・新宿にある店舗「BEAMS JAPAN」(以下、BJ)の1階では、地域色豊かな商品を販売しています。ビームスが地域と協業するようになったきかっけを教えてください。

佐野氏創業40周年を機に、各地の自治体や事業者と協業をするプロジェクトを本格的にスタートし、2016年4月にBJをオープンしました。オープン以来、来客数が前年比で5%ずつ増えていて、業績は順調です。

若者に人気のセレクトショップを展開している御社が、地域との協業に取り組むことに意外な印象を持ちました。どのような狙いがありますか?

佐野氏当社のビジネスは、商品を仕入れて販売する小売りを主体としています。一方、BJ事業は、我々にとって新規事業であり、「日本をブランディングする」という志の下、商品の開発や監修、PR企画など、我々のノウハウを提供するビジネスに比重を置いています。

どのような協業例がありますか?

佐野氏三重県伊勢市や大分県別府市の事業者とお土産を開発したり、兵庫県洲本市のアンテナショップで販売する商品を監修したりしています。また、過去には、山梨県の獣害対策の一環として、鹿の角や皮を使った商品を開発しました。神戸市の観光ガイドブックを制作したこともあります。現在、年間10件ほどのプロジェクトを手掛けています。

 我々は、これまでにもオリジナル商品を開発したり、メーカーと共同開発したりしてきました。PR部門もあり、テレビや雑誌などへの広報活動も得意です。商品開発から販売、PRまで一貫したノウハウを持っていて、幅広い年齢層にアプローチできる点を、自治体や事業者から評価いただいているのだと思います。そのため、この1年で自治体や事業者からの問い合わせ件数が急速に増えています。

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