データを解釈するとき、集計単位や計算処理の方法をどれくらい気にしているだろうか。例えば時系列データは、折れ線グラフなどで可視化し傾向を把握するが、集計単位や計算処理の違いで、全く別のデータとして捉えられる場合がある。

日経平均などのような時系列データは日常的によく使うデータの代表だろう。正しく分析するにはどのような目の付け所が必要なのだろうか。(c)Shutterstock
日経平均などのような時系列データは日常的によく使うデータの代表だろう。正しく分析するにはどのような目の付け所が必要なのだろうか。(c)Shutterstock

 今回は日経平均を例に挙げて、一つのデータを違った角度から見るにはどうすればいいのか考える。まず時系列データとは、等間隔の時刻に対応して観測したデータの集合である(i)。時刻には、「年」「月」「日」「時」「分」「秒」などがある。「ある人の日ごとの体温」「ある店舗の週別売り上げ」「株価」などが典型的な時系列データだ。

 時系列データを可視化するグラフの一つに折れ線グラフがある。折れ線グラフはどの時点でどのような変化があったかを分かりやすく教えてくれる。図に示した折れ線グラフは、2016年1月04日から2019年3月20日までにおける日経平均の高値を表したものである。

日経平均(日次)の高値
日経平均(日次)の高値

 このグラフから、何が読み取れるだろうか。「細かく上がったり下がったりしている」「2018年の後半に最も高くなったが、その後は上下しながら下落していった」「最近は上がり始めている」などが挙げられる。

日次を月次にするだけで印象が変わる

 同じデータであっても、日次だけでなく、月や年といった別の単位で計算処理を行なったデータも存在することがある。例えば日経平均は、月次や年次データも公開されている。月次データは、「月次の始値は月初営業日の終値、月次の高値はその月で終値の中でもっとも高い日の値」(ii)となっている。次に示した折れ線グラフは、2016年1月1日から2019年3月20日までの、月次の日経平均である(日付は全て1日)。

日経平均(月次)の高値
日経平均(月次)の高値

 こちらは、どのような印象を持つだろうか。「あまり上がったり下がったりしていない」「2018年の後半に最も高くなり、急速に下落した」「最近は回復している」など、日次データと全く同一の印象ではないだろう。続いて、日次の日経平均(以下、日次データ)と月次の日経平均(以下、月次データ)も、折れ線グラフで表してみる。

日次データと月次データ
日次データと月次データ

 2つのデータを並べた場合の印象はどうであろうか。同じ高値でも、「月次データの方が日次データに比べて滑らかに推移している」「月次データは日別データの変動を表していない」「月次データの方が日次データより高い値を記録している」――。だとすれば、これらを全部同じ「日経平均」として解釈したり扱ったりしてもよいのだろうか。

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